日本人だけがなぜ日本の凄さに気づかないのか/ケント・ギルバート、石平
本来のジャーナリズムは、思想やイデオロギーに関係なく、事実がどこにあるか、事実の背後には何があるか、それを伝えることが使命です。しかし、日本のメディアは事実がどうかは二の次で、イデオロギーでしか取り上げない。
日本人は総じて自国評価が低い。
外国の意見ばかりありがたがり、卑屈になっている。
これだけ豊かな歴史と文化、そして世界第3位の経済力を備える「大国」としては、ふさわしくない。
特に問題なのは、自虐史観と愛国心、自立心のなさである。
その一因を担っているものがマスコミである。
まず、新聞1紙が900万部もの発行部数になっているというのも異常である。
ニューヨークタイムズでも百数十万部である。
そして日本では新聞社とテレビ局が縦につながっている。
いわばメディア財閥を形成している。
戦後、日本の財閥は解体された。
三井、三菱、住友、安田の4大財閥は解体され、それに続く財閥や各業界の独占的企業もある程度解体された。
ただ、そのなかにメディアは含まれていない。
現在では、NHKを除いて読売、毎日、フジサンケイ、朝日、日経の五つのメディア財閥が、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、BS、CSと、すべてをひと通り押さえている。
普通に考えても、新聞とテレビ局が同じ資本だというのは、おかしい。
ラジオ局も、雑誌も、CSも、資本が違うから競争原理や相互監視が働く。
日本のメディアにはそれがない。
しかもそのメディアはイデオロギーで凝り固まっている。
事実を伝えるというメディアの第一の使命を放棄し、自分たちのイデオロギーに反することは事実を曲げたり、または伝えない。
このメディア財閥支配を解体することが、日本が健全な言論空間を取り戻すために必要不可欠なことではないだろうか。
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