一流の学び方/清水久三子
「ああ、何て気持ち良いのだろう」
断片的な知識や経験がつながり、ピタリと収まり、「ああ、そういうことだったんだ」という何かが見えてくる。その瞬間はまさに学びのクライマックスであり、次のステージの扉が見える瞬間でもあります。
この瞬間には、何事にも代えがたい快感があります。そしてこの快感は、「スキルや知識が身についた」「稼げるようになった」という達成感から得られる快感というより、むしろ「新しい発見や理解を成し遂げた」「自分なりに一つの真理にたどり着いた」という知的な満足感から得られる快感だと思われます。
つまり学ぶという行為には、それ自体に快感が伴うのです。
これからの時代、学び方や学ぶ姿勢で、ビジネスパーソンのキャリア、そして人生が決まると言っても過言ではない。
人間の働く期間は長期化し、働く環境の変化のサイクルが短期化する今、若いときに学んだスキルで食べていく、ということは不可能になりつつある。
40歳になっても、50歳になっても、いや、定年とされる60歳になったとしても時代に合わせて学び続けなければ取り残されてしまう。
しかし、学び続けることは、人によっては苦痛以外のなにものでもないのだろう。
学ぶことに後ろ向きの人の特徴は、学ぶことを「つらいこと」と捉えていることである。
逆に学ぶことを習慣にしている人は、学ぶことによって得られる快感を体感している。
これまでつながらなかった複数のものがつながり、「ナルホド」「そうだったのか」と分かった瞬間、快感を得られる。
私自身もこの体験があるので、学び続けることが出来ているのだと思う。
本書によると、学びには4つのステップがあるとされている。
ステップ1「概念の理解」→「知っている」(知識)
ステップ2「具体の理解」→「やったことがある」(経験)
ステップ3「体系の理解」→「できる」(能力)
ステップ4「本質の理解」→「教えられる」(見識)
である。
この中で快感が得られるのは、「体系の理解」「本質の理解」である。
ところが多くの場合、「概念の理解」「具体の理解」の段階でやめてしまう。
いかにしてこの壁を乗り越えるか?
これが学び続けるための一つの課題なのではないだろうか。
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