GOOGLE VS トヨタ/泉田良輔
自動運転車は、世の中の仕組みそのものを変えるきっかけになる。それが、グーグルがこの分野に取り組んでいる最大の理由だ。
自動運転車にどうしてグーグルが参入したのか。
それはそれによって起こることを考えるとわかる。
たとえば、自動車がぶつからないのであれば、運転免許証はそもそも必要なくなる。
自動車保険はいらなくなる。
また、自動運転車が携帯電話のように移動通信システムにつながっているのであれば、いまのスマートフォンのように通信事業者から購入することもあり得る。
自動運転車が電気自動車であれば、電力会社から購入することもあるだろう。
電気料金がこれまでのガソリン代に変わることになる。
ガソリンスタンドもいらなくなる。
また、自動運転車であれば、タクシーから運転手はいなくなる。
仮にそうなれば、監督官庁、金融や通信、エネルギー、電力、交通事業など、社会システムを構成する規制や産業構造などに多大な影響を及ぼすことになる。
自動運転車によって影響を受けるのはそれだけではない。
都市のあり方も変わるであろう。
つまり、このように想像を広げてゆくと、自動運転を入口にしてあらゆる分野を主導することが可能になることが分かる。
グーグルが自動運転車に取り組んでいることを通して、グーグルがどのような戦略を描いているのかがわかる。
でも、そうなってしまったら、世界はどのようになっているのだろうか。
怖いようでもあり、楽しみでもある。
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