成果を出す会社はどう考えどう動くのか/柴田昌治
私が定義するいい会社とは、「企業の業績とそこで働く人の働きがいを同時に満たす」ことができる会社であり、社員の「考える」力で問題解決を当たり前のようにやり続けている会社でもある。
現代のような変化の激しい時代では、一人の優れたリーダーがいて、それに従っていれば会社は儲かるという形態はとれなくなってきている。
そもそもリーダーも何が正しい方向性なのかがわからなくなってきている。
むしろ、お客様に一番近い所で働いている社員が自ら考え行動することが求められている。
だから、当然、リーダーシップの型も変わってきている。
今、望まれているリーダーシップとは、チームとして周りを取りまとめ、メンバーの力をフルに発揮させていく力である。
社員一人ひとりが当事者意識を持ち、自ら考え行動する。
リーダーはそのための環境を提供する。
会社のなかに、考え抜く姿勢をしっかりと持った当事者が増えてくと、会社は間違いなく進化し始める。
本書はそのための一つの手法としてオフサイトミーティングを勧めている。
オフサイトミーティングでは「まじめな話を気楽にする」
通常の会議のように、ただ議論の収束を求めて行われるものではなく、発散を基軸にしながら、ときに新たな発見を伴って収束に向かう、というプロセスに特徴がある。
オフサイトミーティングではみんな積極的に意見を出していく。
話しにくいことにも突っ込みが入る。
だから、いつの間にか全体の意識や議論のレベルが上がっていく。
最初は自己紹介からスタートするのだが、そのなかでもたびたび鋭い突っ込みが入ってくる。
こうした経験を通じて、お互いのことが分かるようになると、積み重なるようにどんどん発言が出てくる。
その日の〝波〟に乗れない人がいても、最後になってワーッとしゃべったりするようなこともある。
やっていくうちに中身が進化していく。
これが「当事者意識をもって自ら考え、更に考え抜く社員」が生まれる土壌を醸成する。
ぜひやってみたい手法である。
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