1分間コトラー/西村克己
「今日の売上と引き換えに明日の顧客を失うことがよくある。マーケターが目ざすべきは、顧客と長期にわたる互恵的関係を築くことであって、単に製品を売ることではない」
何が何でも売上や利益を求めると、お客様の利益を犠牲にし、大切な信頼関係まで傷つけることがある。
コトラーは「多くの企業が顧客満足度よりも、市場シェアのほうに注意を払っている。だが、これは誤りだ。市場シェアは過去に関する指標であり、顧客満足は将来に関する指標である」と言っている。
また、「短期的な利益には貢献するが、長期的には顧客喪失につながってしまうようなインセンティブは絶対に用いるべきではない」とも言っている。
顧客との長い信頼関係こそマーケティングの目ざすべきものだと説いているのである。
平均的な企業は年間に10~20%もの既存顧客を失っているという。
それをカバーするために新規顧客を獲得するわけだが、そのコストは既存顧客を満足させ維持する場合の5~10倍に及ぶ。
ところが、多くの企業は「釣った魚にはエサはやらぬ」というごとく、顧客に対するサービスは適当にし、新たな顧客を獲得するために血眼になっている。
市場が縮小する現代、もっと顧客満足に真剣に取り組むべきだろう。
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