宗教国家アメリカのふしぎな論理/森本あんり
アメリカという国は、いかに世俗化が進んだとしても、さまざまな側面において宗教が原型となっています。トランプ旋風にせよ、トランプ政権ひいてはアメリカという国のゆくえにせよ、かの国がもつ特異な宗教性の作用──「土着化」したキリスト教の作用──を考慮しなければ、きちんと読み解くことはできません。
トランプが大統領選に勝つことを日本のほとんどの識者は予測できなかった。
私の知る限りでは、木村太郎氏くらいではなかったろうか。
どうして見誤ってしまったのか。
アメリカの一部しか見ていなかったからだ。
日本に入ってくるニュースはワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルスと言った都市部のものである。
ところがそれはアメリカの一部であって、大部分はそれとは違った価値観を持った人々である。
ひと言でいえば宗教国家という側面。
例えば、「ブルー・ロー」という法律。
植民地時代、1776年の独立までに制定された法律で、安息日である日曜日に、仕事や飲酒、娯楽といった活動を禁止するもの。
多くの国や地域でこの法律は撤廃されたものの、アメリカの一部の地域ではいまだに日曜日の店舗の営業やアルコール販売を禁じているところがある。
ある州では、進化論を教科書の載せるかどうかで議論になっている。
そんな人々がアメリカの土台を支えている。
そして彼らがトランプを支持している。
そしてそのトランプが世界に多大な影響を与えている。
この構図は、よく理解する必要があるのではないだろうか。
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