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2018年3月11日 (日)

なめらかなお金がめぐる社会。/家入一真

Photo 社会の価値観は「大きいことはいいことだ」から「小さいことはいいことだ」へと変わろうとしている。

「大きいことはいいことだ」

これを合言葉に日本人は戦後の焼け野原から奇跡の経済成長を成し遂げた。

かつて国民は、「大きな経済圏」の枠組みの中でとにかく歯を食いしばって必死に働いていればよかった。

大企業に就職し、一生懸命働けば個人の繁栄と安定が約束されると純粋に信じていた。

そのときの幸せの尺度は「豊かになること」の一つだけ。

確かに日本は豊かになた。

物質的に満たされた。

しかし、今の日本は問題山積だ。

経済の先行きはよく見えないし、少子高齢化、労働人口の減少、地方の過疎化、慢性的な財政赤字、震災からの復興、心の問題、ブラック企業など、様々な問題が山積している。

大きいことをを前提にした従来の資本主義的な考え方や経済のシステムは、明らかにほころびが生じている。

かつての高度経済成長期のように「大きなことはいいことだ」と成長・拡大を続けることを目指す既存の経済や仕組みを「大きな経済圏」と呼ぶならば、個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、支え合っているコミュニティのことを、著者は「小さな経済圏」と呼ぶ。

この「小さな経済圏」こそが、何かと生きづらくなった現代の、新しい生き方の鍵を握っているというのである。

人は希望を持つから絶望する。

夢を持つから夢に敗れる。

他人との比較ばかりをするから自信を失う。

完璧を目指すから失敗を恐れ、最初の一歩が踏み出せない。

過度に欲しがるから、心の穴が埋まらない。

これらは一つの価値観に凝り固まってしまうのでそうなってしまうのである。

でも、もっと違った価値観や生き方があってよい。

もっと等身大の生き方があるのではないだろうか。

「小さな経済圏」

一つの可能性を提起しているといってよいと思う。

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