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2018年4月の30件の記事

2018年4月30日 (月)

吉井理人 コーチング論/吉井理人

Photo 僕は投手にいろいろな問いかけをする。体調、感覚、感情がどうなっているかを知るためだ。問いかけをするということは、相手にしっかり言葉で表現する努力をしてもらうということ。最初は自分の状態をうまく言語化できないものだ。それでいい。こちらは言語化する努力が途切れないように、あの手この手で質問のアングルを変えていく。そうやってお互いの距離を縮めていく。選手は知らぬ間に自分で自分を深く省みている。そしてやがて自分の状態を冷静に把握できるようになる。

基本的にスポーツは身体で勝負する。

身体能力やスキルの高さ、戦術などが勝負の決めてになる。

一見、言葉とは無関係のように感じる。

ところがそうではない。

スポーツと言葉とは密接な関係がある。

特に、自分の状態を言語化すること。

これは成長への重要なステップである。

言語化できたとき、初めて問題が明確になり、そのことを意識するようになる。

そして意識して問題に取り組み行動することによって、問題は解決へ向かい、行動は変わっていく。

日本のプロ野球界では「ああしろ」「こうしろ」と一方的に命じることが今も多いという。

でも、これでは選手は何も考えない。

それがプレーにも現れてくる。

考えさせるためには、質問をすることである。

質問をすると、された側は考える。

自分の考えを言語化するようになる。

それが成長につながる。

言語化と成長、密接な関係があると言ってよいだろう。

2018年4月29日 (日)

藤井聡太 天才はいかに生まれたか/松本博文

Photo「あれだけ闘争心の強い子は、そうはいなかった。今でもそれは変わらないんじゃないかな。もう負けても、泣かないけどね(笑)」(杉本)

天才棋士として話題をさらっている藤井聡太。

子供時代からの特徴は、強い闘争心。

理知的な子供であったが、同時に、人一倍、負けん気が強かった。

トランプでも、小さい時は、本当に勝つまでやめなかったという。

そして、負けたときには、よく泣いていた、という。

このエピソードを読んで思い出したのは、卓球の福原愛選手の子供時代。

彼女もやはり試合に負けたときには悔しくて泣いていた。

技術は教えれば身につく。

しかし、負けず嫌いという資質は教えて身につくものではない。

生まれつきのものである。

そしてこの闘争心があるが故にスキルが向上し、強くなっていく。

負けたときのくやしさがバネとなってどんどん技術が向上する。

でも、連勝が止まった時、淡々と、今は力をつける時期と、これまで通りのコメントを繰り返していた。

でもその心の内には燃えるような闘争心が隠されていたのだろう。

そんなことを想像してしまう。

2018年4月28日 (土)

聞く力・考える力/久恒啓

Photo 「伝達の方式と記憶力の関係」というアメリカ空軍のデータによると、命令をしてから5日後には、ことばだけだと10%、図表だけでは20%しか覚えていないそうです。ですが言葉と図表の両方を用いれば、60%も残るという結果も出ています。

印象に残り、なおかつ、記憶に残るような伝え方はどのようなものか?

それは言葉と図表の両方を使うことだという。

これは新しい発見である。

図で書くことの効果は「わかりやすさ」だとずっと思ってきた。

図で書くと様々な関連性が分かる。

例えば、二人の人物の関係性も、矢印で描くとわかりやすくなる。

一方方向の矢印であれば、人間関係も一方通行。

双方向の矢印で表せば、人間関係も相思相愛。

一目でわかる。

しかし、このわかりやすさが記憶にも良い影響を与えているようだ。

言葉で説明し、図で表す。

或いは逆に、図で表し、言葉で説明する。

それを身に付けることによって、ずっと伝わりやすくなり、また、記憶にも残りやすくなるということである。

ぜひ、身に付けたいスキルである。

2018年4月27日 (金)

自衛隊式 最強のリーダーシップ/石田英司

Photo 私もよく先輩から、「部下とのコミュニケーションができていないと、いざというとき、後ろから弾が飛んでくるぞ」と言われました。

「後ろから弾が飛んでくる」という意味は二つある。

一つは、コミュニケーションができていないと指揮命令系統が混乱し、場合によっては味方から撃たれることもあるということ。

もう一つは、信頼関係が出来ていないと部下から裏切られてしまうということ。

何れにしても良くない状況である。

民間企業でも、部下から尊敬される上司になっていないと、本当に厳しい場面を乗り越えられない。

部下との信頼関係がベースになければ、組織のため、上司のために気持ち良く働いてはくれないだろう。

場合によっては、部下に足元をすくわれてしまうことだってあり得る。

だからこそ、日ごろからのコミュニケーションが大切だということだ。

今では「飲みにケーション」を否定する人もいる。

また、一緒に飲もうとしない部下も少なくない。

しかし、部下と飲めるチャンスがあるのなら、一体感を作るために意味があることは間違いないのではないだろうか。

2018年4月26日 (木)

自分探しと楽しさについて/森博嗣

Photo なにをしても、自分は見つかるし、なにをしても、自分は高まる。まずは考えないで、行動することだと思う。考えるのは、そのあとで良い。

ひと頃、若者の間に「自分探しの旅」がある種のブームのようになったことがある。

また、今でも「自分探しの旅」に出かける人が後を絶たない。

おそらく、海外のどこかに「等身大の自分」がいるという夢のような奇跡を信じているのだろう。

でも、「自分を探す」というのは、奇妙な言葉だ。

自分の存在は、自分にとって最も明らかなはずである。

自分が考えていることは、他の誰が考えていることよりも感知しやすい。

自分が好きなもの、自分がしたいこと、自分が得意なこと、自分が苦手なこと、自分の将来はどうなるのか、そういうことは、誰よりも自分が一番知っているはずである。

それなのに、わざわざ海外旅行までしなければ、自分を探せない人がいるのだから、どうにもわからない。

でも、一方で、一番わからない存在、それが自分である。

何しろ世界中の人で唯一肉眼で見る事のできない存在、それが自分である。

鏡で見ている自分は毎日見ているが、それは左右が逆になっている自分に似た自分である。

本当の自分ではない。

でも、分からない部分があるからこそ愛おしくなるのではないだろうか。

より深く知りたくなる。

少なくとも、海外に「自分探しの旅」に出かけるというのは、ちょっと違うのではないだろうか。

2018年4月25日 (水)

ランチェスター思考/福田秀人

Photo 競争に勝つことが生き残りの条件である以上、そこには勝つための戦略というものが不可欠となる。そもそも企業としての基本戦略は、他社との生存競争そのもののなかで、敵と戦って勝つのだ、という信念に根ざしていなければならない。戦略の必要性は、まさにそこから出てくる。

戦略というと大企業のもとと思いがちだ。

しかし、弱いものこそ戦略は必要になる。

特に、規模で劣る中小企業が勝ち残るには戦略は不可欠である。

ランチェスター戦略は、多数のライバルが存在し、商品力で大きな差をつけるのが困難な状況で、企業が、持続可能性を高めるには、何をし、何をしてはいけないかを、体系的に示した競争戦略論である。

ランチェスター戦略の目的は、成熟マーケットで、低いシェア率の商品を主力とする企業が、生き残るための戦略論を、重点的に追求したのである。

それは、「負け犬だからやめろ」というPPM理論と正反対の思想にたつ戦略である。

言うならば、弱者の戦略。

しかもこれは日本で生まれた戦略である。

これから市場が縮小しパイの奪い合いが益々激しくなることが考えられる今、改めてランチェスター戦略に着目すべきではないだろうか。

2018年4月24日 (火)

ルポ 虐待/杉山春

Photo 悲劇の真因は芽衣さんがよい母親であることに強いこだわりをもったことだ。だめな母親でもいいと思えれば、助けは呼べただろう。「風俗嬢」の中には夜間の託児所にわが子を置き去りにして、児童相談所に通報される者がいる。立派な母であり続けようとしなければ、そのようにして、あおいちゃんと環君が保護されることもあったのかもしれない。

2010年の大阪二児置き去り死事件のルポルタージュである。

3歳の女児と1歳9カ月の男児の死体が、大阪市内のマンションで発見された。

子どもたちは猛暑の中、服を脱ぎ、重なるようにして死んでいた。

母親は、風俗店のマットヘルス嬢。

子どもを放置して男と遊び回り、その様子をSNSで紹介していた。

あまりにも無責任な母親だと話題になったものだ。

しかし、本書を読むとその背景は非常に複雑なものだったことが分かる。

この女性の父親は高校ラグビー部の監督をしていた。

既に妻とは離婚していた。

厳格な父親のもと、厳しく育てられてきた。

その為か、彼女は「母親とはこうあるべき」が強いように感じる。

そのため彼女は母親であることから降りることができなかった。

自分が持つことができなかった立派な母親になり、子供を育てることで、愛情に恵まれなかった自分自身を育てようとした。

だからこそ、孤独に泣き叫ぶ子どもに向き合うことができなかった。

人目に晒すことは耐え難かった。

母として不十分な自分を人に伝えられず、助けを呼べなかった。

結婚当初、彼女の自尊心を支えたのは、家庭であり、夫の存在、健康に育つ子どもたちだった。

不安で自信のない彼女は、あらん限りの努力をしてその虚像を支えようとした。

だが、頑張りは長くは続かない。

理想の姿が崩れかけた時、それでも持ちこたえて、関係を持続することよりも、別の世界に飛んだ。

それが彼女が幼い時から長い時間をかけて習慣としてきた困難への対処方法だったからだ。

しかし、その代償として二人の幼い命が失われた。

あまりにも悲しい現実である。

2018年4月23日 (月)

KPIマネジメント/楠本和矢

Kpi ある教育機関が、「いじめ」に関する各校や教師に向けた「通念的な指標」、つまり、その件数が多いほどペナルティになるという指標を、180度転換し、逆に多くの件数を見つけると「評価される」というKPIとした。それがどういう結果をもたらしたか。
 たったそれだけで、いじめの発見件数が 10 倍以上となり(今まで見過ごされていたものが顕在化したということ)、教師も生徒もその芽から摘んでいこうという「力学」が生まれたという。

KPIはKey Performance Indicatorの略称で「重要業績評価指標」と言われる。

ビジネスの現場で本当に大切なことは「誰もが簡単に理解できるロジカルな戦略を、いかに立てられるか?」ということではない。

「どこに視点を持っていけば、自社固有の勝てる戦略を作れるか?そのためにいかに深く考えるための方法や枠組みを持つか?」 ということのほうが、はるかに重要。

KPIは、単に経営マネジメント層が事業成果の上げ下げを確認するためのものではない。

「組織を動かす力学」として捉えるべきもの である。

例えば、教育現場では「いじめ」が問題になっている。

その場合、「いじめの件数が少ない事」をKPIにすると、組織の力学は「いじめを発見しない」ことに働く。

もっと悪く言えば「いじめを隠す」「いじめを見て見ぬふりをする」力が働く。

これでは逆効果。

いじめはますます増えるだろう。

では「いじめを多く見つけると評価される」ことをKPIにするとどうなるか。

恐らく結果としていじめは減るだろう。

大事なことは、何をやったらどうなるか、という「想像力」 を持つことにある。

KPIは、人や組織に与える影響力が強いだけに、1点と1点の関係でのみ物事を考えるのではなく、KPIという1点から複数の「点」と、そこから波及効果としてつながる「線」で考える必要がある。

「そのKPIがあることで、対象者やその周辺のステークホルダーがどう思い、どう行動するか」という、人間の本音の部分を想像しなければうまくいかない。

何をKPIとして設定すると、どのような組織の力学が働くのか?

そのことへの想像力を持つこと。

これこそがマネジメントと言えるのではないだろうか。

2018年4月22日 (日)

まず、手をあげなさい!/朝倉千恵子

Photo 「叶」という字は、「口」に「十」と書きます。口に十回出すと、叶うのです。口に出して人に自分の夢を伝えることによって、自分の中でどんどん夢のイメージが明確になり、強く意識するようになります。人に伝えることで、自分にも伝わるのです。すると、自分への責任が生まれます。

夢は口に出すことによって目標になる。

口に出すと自分にプレッシャーがかかる。

だから叶えるために本気になる。

人間は弱い。

ついつい自分を甘やかしてしまう。

口に出してしまったのに達成できなかったらどうしよう、

うそつきな人間だと言われてしまうのが怖い。

これが本音。

しかし、あえて言葉に表わすことによって逃げられないように自分を追い込む。

プレッシャーが人を成長させる。

「叶」という字は、「口」に「十」と書く。

非常に説得力のある漢字の意味付けではないだろうか。

2018年4月21日 (土)

偶然のチカラ/植島啓司

Photo われわれは人生の座標軸を、
 ①幸運
 ②普通(つつがなく)
 ③不運
 という三極で考えるべきなのではないか。
 すると、その比率は5%、90%、5%くらいになるはずだ。

世の中には自分のことを「運が良い」という人と、「運が悪い」という人とがいる。

でも、数値化してみると、個人差はほとんどないのではないだろうか。

ということは、受け止め方の問題だということ。

同じような確率で幸運や不運が訪れているにも関わらず、ある人は「運が良い」と言い、ある人は「運が悪い」という。

いいことも悪いことも身のまわりには同じくらい起こっている。

ただし、いいことは見えにくい。

そして、悪いことはどうしてもつながりやすいので、つい余計なことまで考えてしまう。

だったら、自分のことを「運が良い人」と思った方が良い。

その方が生きることに前向きになれるし、生きることが楽しくなるだろう。

2018年4月20日 (金)

4つのエネルギー管理術/ジム・レーヤー、トニー・シュワルツ

Photo 個人レベルにせよ、集団レベルにせよ、エネルギーをうまく管理できると、私たちが「フル・エンゲージメント」と呼ぶ状態になる準備が整ったことになる。

本書の特色は、優れたパフォーマンスをするためにはエネルギー管理が何より重要だという観点からアドバイスをしている点にある。

昔の常識では、時間の管理が大切。

ストレスは避ける方がいい。

人生はマラソンだ。

休憩は時間の無駄だ。

人は報酬のために動く。

大事なのは自制心だ。

ポジティブ思考を目指せ。

というものだった。

ところが本書で勧めているのは、

エネルギーの管理が大切。

ストレスがあってこそ成長できる。

人生は短距離走の繰り返しだ。

休憩こそ活力のもとだ。

人は目的のために動く。

そしてフル・エンゲージメントを目指せ。

というもの。

人を支えているのは、肉体・情動・頭脳・精神という四つの面のエネルギー。

それぞれのエネルギー状態をよくすることで人は「フル・エンゲージメント」、すなわち優れたパフォーマンスをおこなうために最適な状態となる。

「フル・エンゲージメント」

確かに、重要なことではないだろうか。

2018年4月19日 (木)

異文化理解力/エリン・メイヤー

Photo 日本では、空気が読めなかったら、良い聞き手ではないのです。
 そこまで言うとアメリカ人から質問が出た。
 「『空気を読む』とはどういう意味ですか?」
 タカキは答えた。「日本で会議をしていて、誰かが言葉には出さず反対や不快感を表明した場合、周りの者たちはその不快感の表明を空気を読んで察知しなければなりません。もしそのメッセージを感じ取れない人がいたら、私たちはその人物を『KYだ!』と言います」
 質問をしたアメリカ人は少し笑って言った。「ということはつまり、私たちアメリカ人はみなKYですね!」
 
タカキは何も言わなかったが、私の読みでは同意の印だった。

国が違えば、価値観や物事の受け止め方等が変わってくる。

特に日本では、どんな場合にも「空気を読む」ことが求められる。

その場の空気を読んで発言し、行動する。

それができない人は「気が利かない」「KY」と呼ばれる。

この場合の「気が利く」とは、ともに仕事をしている相手に「気持ちがいい」と感じさせる対応ができることだ。

少なくとも不快にはさせないのが最低ラインだ。

不快な感覚というのは非常に身体的なもので、「説明できないけれど、瞬間的に嫌だと感じる」ものである。

そして、グローバルビジネスにおいてこの「快と不快を分ける枠組み」というのが、実は私たち一人ひとりが持つそれぞれの「文化」である。

グローバル環境において「気が利く」ということはつまり、「相手と自分の文化の違いを理解して、みなが心地よく良いパフォーマンスを出せる環境を作り出す」ことである。

そう考えると、日本は極めて特殊な能力が求められる国かもしれない。

少なくとも、他の国で「忖度」が問題になることはないのではないだろうか。

2018年4月18日 (水)

日本人が知らない 最先端の「世界史」/福井義高

Photo ロシア語専門の情報将校であった小松原は、ソ連大使館付武官時代、モスクワでハニートラップにかかり、それ以降、ソ連側に脅かされていた。同時期に駐在武官を務めた、海軍の小柳喜三郎大佐は、同様にハニートラップにかかったものの、自らの不明を恥じ、1929年3月にモスクワの武官官舎で割腹自殺した。

歴史には表の歴史と裏の歴史がある。

表の歴史は教科書等で学ぶ歴史。

いわば通説となっている歴史である。

しかし、歴史を動かしているのはそのような目に見える部分だけではない。

裏の部分、闇の部分が必ずある。

例えば、要人がハニートラップにかかってしまったらどうなるか。

その人がキーマンとなり、決定的な影響を与えることもあるかもしれない。

歴史は人が動かす。

しかし、その人の心の内まで覗き見ることができない。

その隠された部分があることが、かえって歴史の面白さとなっているのではないだろうか。

2018年4月17日 (火)

死ぬほど読書/丹羽宇一郎

Photo 読書は著者との対話ですから、それを習慣化している人は、じつにさまざまな人と日々出会っていることになります。それが何十年と続けば、膨大な人数になる。そのなかには深いやりとりも無数にあるでしょう。

人生は出合で決まる、という言葉がある。

読書は著者との対話である。

1冊本を読めば、1人の著者と出会い対話したことになる。

同じ著者の本を何冊も読めば、より深く著者と対話したことになる。

それらは必ず自分の血となり肉となる。

1日に1冊読むことを習慣にしていれば、1年で365冊になる。

この中には多くの出会いがある。

本をまったく読まない人と比べれば、知っていることにものすごく差が出る。

人間としての幅や人生の豊かさという点においても、かなり違ってくる。

結局はこの積み重ねではないだろうか。

2018年4月16日 (月)

こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。/深沢真太郎

Photo「自分の仕事に対する情熱に、ほんの少しだけ数字というエッセンスを添える」
「添える?」 「そうです。〝おでん〟に〝カラシ〟を添えるように」
「そんな程度でいいのか?」
「はい。数字ばかりの人はビジネスでは勝てないでしょう。たとえるなら、〝おでん〟と〝カラシ〟のバランスが逆になったようなものです」
「とても食べられたモンではないな(笑)」

仕事を数字で押さえることは重要だ。

作業を共同で行なうときの所要時間の求め方、

粗利益が高くなる接客の方法、

割引セールの損益デッドラインの考え方、

など、数字を使ったアプローチは非常に有効だ。

しかし、数字バカになってはならないということも一方では言える。

数字を使って物事を捉えることは有効なのだが、そればかりになってしまうと、仕事は決してうまくいかない。

90%の情熱と 10%の四則演算。

〝数字に強いビジネスパーソン〟とはこういうバランスで仕事ができる人のことであろう。

2018年4月15日 (日)

コーチングの基本/鈴木義幸

Photo_2 コーチの大きな役割の1つは、クライアントが自らの力で精神状態をコントロールしながら、目標達成に向けて解決する必要がある課題を「自ら解決」するのを支援することにあります。

ひと頃のブームは終わったが、今や管理職の必須スキルとなってきているコーチング。

本書は、タイトルの通り、コーチングの基本について網羅的に記述されている。

コーチングの特徴の一つは、相手のなかに問題を解決する力があるということを前提にし、会話をすることを通し、相手が自ら問題を解決するように導くことにある。

そこには「強制」はない。

あるのは「自発的行動」。

だからこそ、人によってはもどかしく感じる。

単刀直入に指示・命令した方が早いのではという人も多い。

問題はどれが正しいということではなく、ワンパターンはダメということ。

相手の成熟度や経験、能力、あるいは場面によって指示・命令が必要なこともあるし、じっくりとコーチングのスキルを使う場面もある。

要は、適時使い分けることが必要ということではないだろうか。

2018年4月14日 (土)

プラットフォーム ブランディング/川上慎市郎、山口義宏

Photo 顧客理解やブランドへの考え方を理解するツールを持たない組織は、たとえれば、円やドルなどの通貨や会計に関する単位が存在しない中で財務や経理の仕事をしているようなものだ。為替の変動が見えなければ事前の対策も打ちようがない。会計に関する共通言語がなければ組織で横断した判断も連携が取れない。多くの組織のブランド・マーケティング業務では、そんな恐ろしい状況が放置されている。

商品そのもので差別化することが難しくなってきている現代、ブランドを形成することは勝ち残りの要素になっている。

ブランド戦略は「これさえやれば、必ず勝てる」というような魔法の杖ではない。

しかし、正しいブランド戦略は、顧客の心の中にそのブランドが提供する良い体験の知覚認識を形成する。

それによって市場競争力を高める大きな助けとなる。

ところがブランドを誤解している企業が多い。

第1に、ブランドは広告で形成するイメージのことであるという誤解。

第2に、ブランドとは高級品のことであるという誤解。

第3に、ネーミングとロゴのことであるという誤解、である。

ブランドは規模の大小、業種業態に関わらず必要なものだ。

企業経営者は、まずこの誤解を解くことから始める必要があるのではないだろうか。

2018年4月13日 (金)

ニューヨークのとけない魔法/岡田光世

Photo ニューヨークの地下鉄ほど気まぐれなものはない。
 ローカル(各駅停車)で走っていたのに、突然、急行になる。
 しっかり放送に耳を傾けていなければ、何が起こるかわからない。ところがその放送も、声がこもっていたり、電車の音にさえぎられたりして、聞き取りにくい。

日本の地下鉄は定時に到着し、出発するのが当たり前だ。

ところがニューヨークの地下鉄は違う。

例えば各駅停車に乗ったはずが、急に「電車はこの先、急行に変わります」とアナウンスが流れる。

それを聞き、何人かは電車から降りる。

約三十秒後に、別の人の声で別の放送が入る。

「この電車は各駅停車です」

さっき降りた人たちが、また車内に戻ってくる。

すると、マイクを通して、別々の放送をしたふたりのやり取りが聞こえてくる。

「ちょっと、これから急行になるんじゃないの?」

「違うよ、各駅だよ」

「あ、そ」

こんなこと日常茶飯事だという。

時には予告もなしに、走っている最中にほかの路線に変更することさえある。

"now" のひと言で、突然、変更が許されてしまう。

このいい加減さが、行き先も停車駅もわからない地下鉄に、ぼんやり乗ってはいられない、という緊張感を与えている。

日本の地下鉄で熟睡している人たちには、とてもついていけないだろう。

でも日本人なら苛立つところだろうが、アメリカ人はそれほど戸惑う様子もなく、素直に指示に従っているというのである。

でも、もしかしたら、1分遅れただけでも文句をいう日本人の方が異常なのかもしれない。


2018年4月12日 (木)

ポジティブ・チェンジ/メンタリストDaiGo

Photo アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学卒業式で行なった有名なスピーチで「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎ合わせることなどできません。できるのは、あとからつなぎ合わせることだけです」と語っています。

ジョブズが言ったことを要約すると「行動してから考えよ!」ということ。

行動できない人の特徴、それは「考えてから行動する」ということ。

人は考えれば考えるほど行動できないもの。

行動しようと思えば、まず、準備が必要になる。

準備が十分でないとそれだけ失敗するリスクが増大する。

しかし、全てのリスクに対して万全な準備をして臨むことなどできない。

どこかで「見切り発車」をせざるを得ない。

成功する起業家や経営者を見ていてわかるのは、「見切り発車」であるということ。

また、やる気がでないので行動しないという人も多い。

これも順番が間違っている。

やる気が出たから行動するのではない。

行動し始めてからやる気が出るのである。

この勘違いを正すだけでも、多くの人の行動は随分変わるのではないだろうか。

2018年4月11日 (水)

世界システム論講義/川北稔

Photo 近代の世界は一つのまとまったシステム(構造体) をなしているので、歴史は「国」を単位として動くのではない。すべての国の動向は、「一体としての世界」つまり世界システムの動きの一部でしかない。

歴史を学ぶとき、国を単位としたり、或いは、西洋や東洋と言った括りで学ぶことが多い。

ところが「世界システム論」では違ったアプローチをする。

「近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方」、それが「世界システム論」である。

大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷など、それらをシステムとして捉える。

これによってこれまで見えなかったものが見えるようになる。

16世紀から現代までの資本主義の発達史を統一した観点からコンパクトに概観する事ができるので、頭の整理にはもってこいの本だと思った。

2018年4月10日 (火)

「箇条書き手帳」でうまくいく/Marie

Photo バレットジャーナルにタスクやスケジュール、その他もろもろを書き出していくと、ごちゃごちゃだった私の頭の中が本当にすっきりするのを感じます。

バレットジャーナル

聞きなれない言葉だが、これはアメリカ発祥で、日本では2014年ごろから徐々に知られるようになってきた手帳術。

「バレット」というのは、箇条書きの先頭につける点「・」のこと。

箇条書きと記号を活用して、タスクやスケジュール、メモなどを効率的に管理できる手帳ということで、「バレットジャーナル」と名づけられた。

毎日やることリストを書き、きちんとできたらチェックボックスを塗りつぶす。

思いついたことは、その続きにどんどん書き足していく。

ルールは、ただそれだけ。

重要なタスクは勿論、思いついた事、やりたい事、願い事、心に残った事、感想等等、思いついた順に箇条書きで列挙する。

時系列で書きなぐるだけだから頭の中を本気で空っぽに出来、忘れることを防げる。

シンプル・イズ・ベストを地でいっているような手帳術である。

シンプルだからこそ効果的ということではないだろうか。

2018年4月 9日 (月)

防衛大で学んだ 無敵のチームマネジメント/濱潟好古

Photo 組織のビジョンと個人のビジョンが合致したとき、人の力は2倍にも3倍にもなります。「人の力」なくして組織の繁栄はありません。「人の力」なくして事業の成功はありません。

防衛大には毎年600名が入学し、その厳しい訓練に耐えきれず120名が自主退職するという。

そんな大学で学ぶ「マネジメント手法」は、上司の命令には絶対服従することを求められることを想像するがそうではないという。

場当たり的な「気合」や「根性」といった精神論ではない。

「リーダー」から「部下」に対する一方的な押しつけでもない。

それでは人は動いてくれない。

その意味では、自衛隊も他の組織と変わりない。

大事なことはリーダーとしてやるべきことをやること。

そしてそれを徹底すること。

まず、組織としてのミッションを明確にし、それを達成するために「思っていること」「やるべきこと」「やってもらいたいこと」「進むべき道」を「チーム」に伝え、「部下」にも伝え、「自分」にも言い続ける。

「なぜやらなければならないのか」すべての仕事の目的をはっきりさせる。

1回、2回言うだけでは浸透などしない。

部下のお腹に落ちるまでひたすら言い続ける。

それによって、はじめて組織は組織として機能するようになる。

これは他の組織でも全く同じである。

ただ、他の組織と違うのは「徹底」ではないだろうか。

2018年4月 8日 (日)

サーチ・インサイド・ユアセルフ/チャディー・メン・タン

Photo 管理職の成功を説明できる数々の要因を研究者たちが調べた。すると、管理職の上位四分の一と下位四分の一をはっきり分ける要因がひとつ、ただひとつだけあった……その唯一の要因とは、 愛情 ──人を愛することと人から愛されたいという願望の両方──での得点の高さだった。

優秀な管理職は部下に対して多くの温かさと好意を見せる。

彼らは部下と近しくなり、大きく心を開いて考えや気持ちを伝える。

つまり、部下と良好な人間関係を作ることに長けているということ。

これがあるからこそ、部下は自分は認められていると実感し、良い仕事をするようになり、成長していく。

そして、そのためにマインドフルネスが一つのポイントになるという。

マインドフルネスは、どこか別の場所に行くことではなく、今すでにいる場所に完全に存在し、その完全な存在と意識の力を、今この瞬間に認識すること。

本書には、そのための様々なメソッドが紹介されている。

一つでも実践してみるとよいのかもしれない。

2018年4月 7日 (土)

シリア 戦場からの声/桜木武史

Photo 「人を殺すことに抵抗はないのか?」
 私は素朴な疑問を彼に投げかけた。
 「人を殺すことに抵抗はあるさ。ただアサド軍やシャッビーハは人じゃない。あいつらは動物だ。奴らを殺すことには抵抗はない」
 「いや、彼らは動物じゃない。敵であっても、人間には変わりはない。父親や母親だっているし、結婚して妻や子供がいるかもしれない。そんなことは考えたことはないのか?」
 「考えたことはないし、考える必要もないことだ。俺の兄もやつらに殺された。やつらは動物だ。地獄に行くべきだ」

内戦が続くシリア。

政府軍と反政府軍が血で血を洗うような戦いを続けている。

著者は現地に赴き、生の声を届けようとしている。

本書を読んで感じるのは、人間はある一線を越えたとき、無感覚になり、いくらでも残酷になれるのだということ。

彼らにとって敵は人間ではない。

動物という感覚である。

だから殺すことが出来る。

もし敵として戦っている一人ひとりにも愛する家族がおり、その死を悲しむ人もいるという人間的な想像力を働かせることが出来るならば、そうは残酷になれないもの。

逆に言えば、人間は想像力を失ったときが危ないと言えるのではないだろうか。

2018年4月 6日 (金)

ドラッカー5つの質問/山下淳一郎

5 目的があって手段が決まる。「わが社が社会で実現したいことは何か」という共通の目的があってこそ、「何をやるか」という手段を決めることができる。組織は人の集まりではない。考え方の集まりだ。だから、共通の考えを創り出さなければならない。「何をやるか」を決めるのはそのあとだ。

著者は、ドラッカーの経営に関わる言葉を5つの質問という形でまとめている。

第1の質問 われわれのミッションは何か

第2の質問 われわれの顧客は誰か

第3の質問 顧客にとっての価値は何か

第4の質問 われわれの成果は何か

第5の質問 われわれの計画は何か

非常に簡潔にまとめられている。

第1の質問、「われわれのミッションは何か」は、何のための事業なのかを問いただしてくれる。

第2の質問、「われわれの顧客は誰か」は、誰をお客様とすべきかを明らかにしてくれる。

第3の質問、「顧客にとっての価値は何か」は、お客様にお応えするために何をやるべきかをはっきりさせてくれる。

第4の質問、「われわれの成果は何か」は、お客様に起こる良い結果に向けて働く人を方向づけしてくれる。

第5の質問、「われわれの計画は何か」は、事業の存続と繁栄に関わる重要なことに注意を向けさせてくれる。

本書では5つの質問一つひとつの中に、さらに細かい質問がたくさんある。

それらの問いに対する答えをつくり出していくことによって、結果として、優れた経営を行うに至るだろう。

経営を考えるモノサシを与えてくれる本だと思う。

2018年4月 5日 (木)

ヤクザライフ/上野友行

Photo ヤクザとは決して怒りのみに特化した人種ではない。怒る時は阿修羅のごとく牙を剝くし、楽しい時は馬鹿笑いするし、とにかく喜怒哀楽がはっきりしている。
 社会通念さえ別にすれば、こうした人間の方がかえって付き合いやすいと感じる方は案外多いのではなかろうか。

著者は裏社会を中心に取材している。

「ヤクザ」、言葉を換えて言えば「反社会的勢力」

何れにしても社会の裏で活動している人たちである。

でも、いつの時代にも、どんな国でも、一定数、そのような勢力は存在する。

社会悪と分かっておりながら、絶滅しない。

なぜなのか?

その世界に居心地よさを感じる人たちがいるからであろう。

表の社会は、建前と本音が混在する社会である。

人々は表の顔と裏の顔を使い分ける。

ある意味では本音が見えにくい社会でもある。

ところが、ヤクザの社会はわかりやすい。

それぞれの本音がそのまま喜怒哀楽となって表れる。

だから、そのようなものに惹かれる人たちが社会の中で一定数いるというのもわかるような気がする。

2018年4月 4日 (水)

容姿の時代/酒井順子

Photo_3「私、自分に関しても他人に関しても、人の外見なんて本当にどうでもいいんです」
 などと言っている人をよく見ると、〝うーん、そう信じ込もうとするのもわかる気がする〟と思ってしまうような容姿の人か、もしくは生まれつき容姿に恵まれていて、今まで容姿に関して嫌な思いなど一度もしたことが無いであろうなぁ、と思われる人だったりする。

「人間は顔ではない、心だ」という意見を強硬に主張する人が世の中にはいる。

その主張が真実ではないということは、人間として何年も生きれば誰しもわかること。

男であれ女であれ、イケメンや美人が得をすることは明らかである。

皆、それが分かっているからこそ、化粧品が売れるし、美容整形が儲かる。

高額報酬を稼ぐ野球選手の妻は美人ばかり。

そのように世の中はできあがっているのである。

それが分かっていて、建前ばかりを主張しても、その言葉はむなしく響くだけである。

もし、それを言うなら「人間は顔だけではない」と言うべきであろう。

人は生まれつきある程度のアドバンテージをもって生まれてくる人がいる。

しかし、だからと言って、それですべてが決まるわけではない。

アドバンテージをもっていない人は、そのハンディを埋めるための努力をすれば、逆転することもできる。

だから人生は面白いといえるのではないだろうか。

2018年4月 3日 (火)

内向型を強みにする/マーティ・О・レイニー

Photo 内向型の人は、充電式のバッテリーに似ている。彼らには、いったんエネルギーを使うのをやめて、充電のために休息をとる必要がある。この休息をもたらすのが、刺激の少ない環境だ。それは、エネルギーを回復させてくれる。そういった環境こそ、彼らの居場所なのである。
 一方、外向型の人は、ソーラーパネルに似ている。彼らにとって、ひとりでいること、あるいは、なかにいることは、厚い雲の下で生きているようなものだ。太陽電池板は、充電のために太陽を必要とする。

アメリカの場合、内向型の人は4人に1人だという。

日本はもう少し割合は高いかもしれない。

何れにしても、多数派が世の中をつくるわけだから、内向型にとって世の中は生きづらいのかもしれない。

また、損をすることも多いかもしれない。

外向型は外の世界からエネルギーを得る。

彼らのほとんどは、人と話したり、外のさまざまな活動に参加したり、人や活動や物に囲まれて働くことを好む。

その目は自分の外へ向けられている。

外向型の人はエネルギーを惜しげもなく使い、むしろペースを落とすのに苦労する。

彼らは外での活動によって、たやすくリフレッシュすることができる。

外向型の人は、人や外界と接触していないときに、孤独や疲労を感じる。

一方、内向型の人は、なかの世界から、つまり、アイデアや感情やイメージからエネルギーを得る。

その興味は自らの頭のなかへ向けられている。

内向型の人にとってエネルギーを取りこむのは、たやすいことではない。

今日のようなテンポの速い世界においては、なおさらだろう。

内向型の人は、エネルギーを回復するのに時間がかかるうえ、そのエネルギーは外向型の人のそれよりも速く流出してしまう。

しかし、世の中を変える人の中で内向型の人は多い。

エイブラハム・リンカーン、アルフレッド・ヒッチコック、トーマス・エジソン、ビル・ゲイツ、クリント・イーストウッド・・・

彼らは皆、内向型である。

どちらが良い、悪いではない。

自分を変えよう、などと努力しなくてもよい。

わたしたちは、ありのままの自分の価値を認める必要があるのではないだろうか。

2018年4月 2日 (月)

独立の思考/孫崎享、カレル・ヴァン・ウォルフレン

Photo 官僚を使いこなそうとすれば、人事を押さえなければなりません。田中角栄も各省庁トップである次官の人事権を握ることで、官僚機構に 睨みを利かせていた。

本書は孫崎氏とウォルフレン氏の対談である。

時期は丁度、第二次安倍内閣発足当時。

読んでみると、二人とも官僚の人事権を官邸が握ることが大事だと主張している。

国の中枢は本来、首相を中心とする内閣が果たすべき役割である。

しかし日本では、官僚機構による実質的な統治が続いてきた。

ただし、彼らには「政治的な説明責任」はない。

逆にいえば、政治的な決断もできないので、時代の変化に対応し、政策を大きく変更していくようなことも苦手である。

特に今のような激動の時代でこのことは致命的だ。

そのため、内閣人事局が生まれた。

i今、今回の財務省の公文書改ざん問題で内閣人事局が批判の矢面に立たされている。

これがあるから官僚は官邸に忖度し、それが改ざんの遠因になったのだと。

少し的外れな議論と言わざるを得ない。

2018年4月 1日 (日)

孤独の価値/森博嗣

Photo すなわち、創作を生み出すものも、やはり孤独なのである。そういう面では、孤独は生産的だともいえる。
 
現代人は、あまりにも他者とつながりたがっている。

人とつながることに必死だ。

東日本大震災後に出てきたキーワードも「絆」だった。

確かに「絆」は大事だが、あまりそのことばかり強調されると、ちょっと気持ち悪い。

中にはそれを商売道具にする輩も出てくる。

こうなってくると違和感や拒否感さえ出てくる。

現代人は「絆の肥満」になっているといっても良いだろう。

確かに人は一人では生きていけない。

だから「つながり」は大事だ。

でも、一方で多くの芸術や文学は「孤独」の中から生まれてきている。

「孤独」によって生産されるものは、思いのほか多い。

著者が本書で書いている「孤独」というのは、社会を拒絶することではない。

また他者を無視することでもない。

社会における最低限の関係は、そもそも拒絶できないものだ、という前提に立っている。

しかし、その上で、時には孤独になり、自分と向き合うことも大事だということである。

現代人は孤独を恐れるあまり、「良質な孤独」まで失ってしまっているのではないだろうか。

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