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2018年4月 7日 (土)

シリア 戦場からの声/桜木武史

Photo 「人を殺すことに抵抗はないのか?」
 私は素朴な疑問を彼に投げかけた。
 「人を殺すことに抵抗はあるさ。ただアサド軍やシャッビーハは人じゃない。あいつらは動物だ。奴らを殺すことには抵抗はない」
 「いや、彼らは動物じゃない。敵であっても、人間には変わりはない。父親や母親だっているし、結婚して妻や子供がいるかもしれない。そんなことは考えたことはないのか?」
 「考えたことはないし、考える必要もないことだ。俺の兄もやつらに殺された。やつらは動物だ。地獄に行くべきだ」

内戦が続くシリア。

政府軍と反政府軍が血で血を洗うような戦いを続けている。

著者は現地に赴き、生の声を届けようとしている。

本書を読んで感じるのは、人間はある一線を越えたとき、無感覚になり、いくらでも残酷になれるのだということ。

彼らにとって敵は人間ではない。

動物という感覚である。

だから殺すことが出来る。

もし敵として戦っている一人ひとりにも愛する家族がおり、その死を悲しむ人もいるという人間的な想像力を働かせることが出来るならば、そうは残酷になれないもの。

逆に言えば、人間は想像力を失ったときが危ないと言えるのではないだろうか。

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