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2018年5月31日 (木)

リアル30'S/毎日新聞「リアル30's」取材班

30s30s 思春期直前にバブル経済が終わった。それから日本はずっと不況。いい思いをしたことはない。仕事を始めて、ベテラン世代があっさりクビを切られる姿も見てきた。
 「『継続は力なり』って言われても、力になってないじゃんって。会社を出た時にどうやって食っていくか、いつも考えてる」

本書が取り上げる「 30's」は次のような人たちだ。

78年~ 82年ごろに生まれ、バブル経済が崩壊、91 年には小学校高学年から中学生を迎えていた。

90 年代後半に大学に入るか就職などの道を選び、大学進学者は 00 ~ 04 年ごろ社会に出た。

取材された2010年頃、 30 歳~ 34 歳の人たちである。

時代の変化に目をつぶり、過去の栄光を忘れられず、若い世代の窮状を想像さえしない先行世代への幻滅。

「別の選択をしていたら」とか「今後は選択を間違えられない」という不安感とも緊張感ともいえない感覚。

それこそが、 30's が抱える「生きづらさ」の正体だと思う。

本書に登場する30代の若者たちに、いわゆる「正社員」はいない。

しかし、それぞれが自分なりの生き方をしている。

「好きなことができている今がいちばん安定している」と、バイトしながら占師をする女性。

「『私』が求められている場所がある」と、正社員の職を蹴ったクラブホステス。

「スキルアップのため」と1年ごとに非正規の職を変えて働く男性。

悲壮感もなければ、社会への怒りもない。

こういう若者たちの生き方を、人生の諸先輩方は「覇気がない」「逃げている」「これからの社会を背負って立つ気概はないのか!」としかるものもいるだろう。

でも一生懸命勉強し、いい大学を出て、正社員として「いい会社」に入り、真面目に生きてさえいれば「いい人生」が用意されているなんて嘘っぱちだと、このの世代は気づいてしまったのではないだろうか。

ある意味、リアリストだと言えよう。

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