40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい/佐々木常夫
出世するには、一定レベルの技術点が求められるのは確かですけれど、技術点さえ高ければよいというわけでもありません。いくら能力が高くても、利己的だったり品性に欠けていたりすれば、下の人間がついてこない。人柄のよさという芸術点も、出世における重要なファクターになると言えます。
40代になると、多くの人はマネジャーになる。
マネジャーになると、いちプレイヤーのときとは違ったスキルが求められる。
それを著者は「技術点」と「芸術点」と言っている。
ここで言う「芸術点」とは人柄であったり、教養であったり、主に人間性に関するものである。
例えば、どんなハイパフォーマーであっても、人望がなければマネジャーとしてよい仕事はできないだろう。
人望という言葉、定義するのが難しい言葉なのだが、要は「あの人についていきたい」「あの人と一緒に仕事をしたい」と思わせる何かがあるかどうかということである。
嘘をつかないこと。
謙虚であること。
そして人に対して思いやりを持つこと。
そうした「真摯さ」をつねに忘れないことが、意外と大事だ。
また、ビジネスでは、物事の本質を見極める判断力や、人を理解し動かしていく人間力などが求められる。
これらを会得するには、さまざまな観点からの知見、ものの見方、考え方を養わなくてはならない。
そのためには、哲学や文学など、人間性の土台を育み精神性を養う教養書が非常に役立つ。
40代はそれらを身に付けるかどうかのターニングポイントになる時期ということではないだろうか。
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