息子が人を殺しました/阿部恭子
秋葉原無差別殺傷事件から6年後、加藤氏の弟が自殺した。その事実はある週刊誌が小さく報じただけだった。
少年による悲惨な殺人事件が起こると、いつも思うことがある。
「もし、自分の息子が、ある日突然、殺人者になったとしたら、どうなってしまうんだろう」・・・、と。
犯人にも、家族がいる。
両親、配偶者、きょうだいなどの犯人の家族は、事件後、どのような人生を送るのか。
被害者側の怒りや悲しみ、犯人への憎悪や応報感情の矢面に立たされるのは、塀の中に隔離される犯人ではなく、加害者家族の方なのだ。
家族が事件を起こすと、「家族なのにどうして気がつかなかったのか」「本当は知っていたのではないか」などと社会から責められる。
家族は、「あのとき、気がついていれば……」という自責の念に苛まれる。
あの「秋葉原無差別殺傷事件」の犯人、加藤智大の弟も自殺していたという。
本書で初めて知った。
今、世の中全体がワイドショー化している。
何かがあると、一方的に報道され、二次被害を生む。
しかし、その部分については何も報道されない。
物事には必ず表と裏、光と闇の部分があるのに。
いろんな意味で、多様な見方を許容し、尊重し合う社会であってほしいと思う。
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