性格スキル/鶴光太郎
性格スキルは幅広い学歴・職業で共通して重要であり、その欠如が職業人生の失敗に強く結びついている。裏を返せば、 性格スキルを高めることでどのような道に進むといえども、職業人生が開いていく 可能性があるといえる。
良い職業人生を送るためにはどんなスキルが必要か。
学力や知識といった認知スキルを向上させることだろうか。
様々な調査で明らかになったのは、認知スキルと良い職業人生との相関は無いという。
むしろ相関の高かったのは性格スキルだという。
具体的には、性格スキルは 「開放性」「真面目さ」「外向性」「協調性」「精神的安定性」 からなる。
このビッグ・ファイブは性格的スキルをよりきめ細かく定義するための「緯度」と「経度」のようなものともいわれている。
中でも人生のどの側面にも圧倒的に重要であるのが「真面目さ」なのだという。
さらに「真面目さ」と並んで職業人生に強い影響を与える性格スキルとしては、「精神的安定性」「協調性」が挙げられる。
さらに、この「真面目さ」、「精神的安定性」、「協調性」については、10代の伸びよりもむしろ、20代、30代の伸びが大きいことが着目される。
これは 大人になってからも十分性格スキルを鍛えることができることを如実に表わすエビデンスだ。
何れにしても、良い職業人生を送るためには、その根源にある性格スキルを伸ばしてあげることを考えなくてはならないということだ。
性格スキルに目を向けない限り、根本的な解決は決して生まれない ことを肝に銘じるべきであろう。
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