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2018年6月17日 (日)

10年後躍進する会社 潰れる会社/鈴木貴博

Photo 「この危機は、自動車が売れなくなったトヨタをイメージしてほしい」

上記は、富士フイルムの当時の社長、古森重隆氏の言葉。

日本の写真業界に最初に激震が起きたのは1981年。

ソニーがデジタルカメラのさきがけとなるマビカというコンセプト商品を発表したとき。

マビカから14年後、1995年にデジカメ分野での最初のヒット商品がカシオから発売される。

ところが、当時のフィルムメーカーの幹部の大多数の意見は、 「デジカメは発展するだろうが、市場としては高性能のフィルム方式のカメラと、低性能のデジカメが 棲み分けることになる」 という考え方が定説だった。

そこから 10 年後の2004年に写真産業はどうなったのか?

棲み分けるなどという話は幻想で、カメラはすべてデジタルカメラに置き換わってしまった。

これが破壊的イノベーションの出現サイクルである。

そして世界最大のフィルムメーカーだったイーストマン・コダックが連邦破産法を申請するのは、それからさらに8年後の2012年。

フィルムの場合はマビカというコンセプトモデルの発表から、イーストマン・コダックの消滅まで 31 年間かかっている。

ところが、フィルム産業が破壊されていく中で富士フイルムは化学企業として舵を切りなおして、成長を実現している。

その原動力となったのが2000年に富士フイルムの社長に就任した古森重隆氏のリーダーシップ。

フィルム分野で過剰な販売チャネル、研究所、研究員、管理職への大規模なリストラを断行する。

同時に、新たな成長分野への巨額の投資を行うことで、消滅するフィルムという壊滅的な事業構造の変化を乗り切った。

自動車、金融、外食、放送等、今、あらゆる分野が破壊的イノベーションの脅威にさらされている。

「この危機は、自動車が売れなくなったトヨタをイメージしてほしい」

この言葉の持つ意味と重さを理解している経営者はどのくらいいるのだろう。

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