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2018年6月25日 (月)

なぜ、残業はなくならないのか/常見陽平

Photo 「日本企業の残業は、なぜなくならないのか?」
 あえて空気を読まずに回答しよう。その答えは簡単だ。
 残業は、合理的だからだ。
 残業もまた、柔軟な働き方だからだ。
 残業しなければならないように、労働社会が設計されているからだ。

働き方改革が叫ばれている今、問題となっているのが日本人の残業の多さだ。

生産性の低さや日本独特の上司よりも早く帰れない風土等、様々な原因が指摘されている。

経営者の側にも労働者の側にも問題がある。

例えば、日本の解雇規制の厳しさも原因として挙げられる。

景気は良い時もあれば悪い時もある。

経営者は景気の良い時は仕事が増えるので人を増やしたい。

逆に景気の悪い時には人を減らしたい。

ところが日本では景気が良いからと言って人を増やしたら、いざ景気が悪くなったら、簡単に解雇できないので、その増やした人の人件費が経営の足を引っ張ってしまう。

だから仕事が増えても人を増やさずに、最小限の人員で対応しようとする。

当然残業が増える。

また、「人に仕事をつける」という世界観も問題である。

欧米は「仕事に人をつける」という世界観だ。

「仕事に人をつける」という世界観では、業務内容や責任などを明確にすることができる。

そうであるがゆえに、仕事が定型化しやすい。

仕事の引き継ぎもしやすい。

採用時も仕事が定型化、標準化しているので、選考時にその業務に合った人材かどうかを判断しやすい。

一方、「人に仕事をつける」という世界観においては、ある人に複数の業務が紐付けられることになる。

特に中堅・中小企業においては営業、企画など職種を超えた仕事が任せられることもある。

これを繰り返していくと、仕事の範囲が無限に広がっていく。

複数の仕事を担当するがゆえに、仕事の終わりが見えなくなる。

これが日本型の「なんでもやる」正社員モデルにつながっている。

これが長時間労働に影響を与えているのではないか。

他にも多くの原因があるのだが、要は経営者や労働者の努力では限界があるということ。

日本社会全体の問題だとの認識で取り組む必要があるということではないだろうか。

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