« 仕事したく「ない」人のための働か「ない」働き方/河本真 | トップページ | IT企業という怪物/今野晴貴、常見陽平 »

2018年6月23日 (土)

精神科医は腹の底で何を考えているか/春日武彦

Photo わたしが普段カルテに記している病名は、せいぜい六つである。すなわち、(躁)うつ病・統合失調症・神経症・パーソナリティー障害・器質性精神疾患(認知症を含む)・依存症であり、これは体系的というより実際の頻度や利便性に基づいて挙げてある。とりあえずこの六つでおおよそ事足りる。

人間は千差万別だ。

だから精神病も数千種類はあるのではないかと考えがちだが、実はそうではないという。

基本は六つの病名で事足りるという。

ただそれぞれの病名において、パターンは十~二十くらいある。

したがってパターンは全部で百ぐらいということになる。

極論すれば人の心の狂い方は百種類しかないということである。

それを診断する専門化が精神科医ということになる。

そもそも精神科医は、心の専門家ということになっている。

単なる「心の病気」の専門家でしかないのに、あらゆる心の問題に精通していると受け取られる。

それがために犯罪を中心とした「不可解な言動」の解析やコメントがマスコミに求められることがある。

そしてそれが専門化の見解として報道されることが多い。

でも、分析や解析や意見の大部分は、誰もが漠然と思っていたり考えていることと変わらないことが多い。

「さすが、精神科医が言うことには奥行きがあるなあ!」などと感心することはまずない。

うがった見方をすればマスコミが主張したいことの代弁者として精神科医が担ぎ出されている気配すらある。

精神科医は「心の病気の専門化」であって、それ以上でもそれ以下でもない。

精神科医のコメントを聞く時、このことはしっかりと認識すべきだろう。

« 仕事したく「ない」人のための働か「ない」働き方/河本真 | トップページ | IT企業という怪物/今野晴貴、常見陽平 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/555602/66849448

この記事へのトラックバック一覧です: 精神科医は腹の底で何を考えているか/春日武彦:

« 仕事したく「ない」人のための働か「ない」働き方/河本真 | トップページ | IT企業という怪物/今野晴貴、常見陽平 »