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2018年7月31日 (火)

人が集まる職場 人が逃げる職場/渡部卓

Photo 人が集まる職場は、 2.5人称の視点
 人が逃げる職場は、 2人称・3人称の視点

仮に部下から「仕事にやりがいを感じず、行き詰まっている:という相談を受けたとする。

1人称の視点だと、「もし自分だったらどうするだろう?辛くて会社を辞めたくなるかもしれないな」と考えるだろう。

2人称の視点だと、「自分の子供がこんな風に悩んでいたら、と思うといたたまれない。なんとかしてやりたい」と考えるだろう。

3人称の視点だと、「彼ぐらいの歳のビジネスマンは、仕事への不安を抱きやすいものだ。上司としてアドバイスをしよう」と考えるだろう。

1人称、2人称の視点を持った上司の場合、部下の状況を自分や家族に置き換えて考えているので、非常に親身になって話を聞いてあげられそうだ。

しかし、あまりにも自分に近しい問題として考えてしまうと、感情的になったり、冷静な判断ができなかったりする危険性がある。

一方、3人称の視点に関しては、部下の悩みをあくまで他人事と捉え、一般論に当てはめようとしているふしがある。

「2.5人称」というのは、文字通り2人称と3人称のちょうど中間の視点。

感情移入しすぎず、第3者目線になりすぎない絶妙なバランスが必要だ。

先ほどの例で言えば、「仕事にやりがいを持てずに行き詰まっている」という事実を客観的に捉え(3人称の視点)、「それは辛いだろう」と共感し(2人称の視点)、上司として解決策を考えつつも、相手が自分で考えるようにも促す。

このような状態が2.5人称である。

実際にこの視点を持てるようになるのはなかなか難しいかもしれない。

時には感情的になってしまうこともあるだろうし、場合によっては3人称視点に徹した方がいいこともある。

しかし、部下との距離感を考えるとき、この「2.5人称の視点」を持つことは、非常に重要ではないだろうか。

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