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2018年7月23日 (月)

個を動かす/池田信太朗

Photo 新浪の言葉を借りれば「何をやってもうまくいかない敗残兵」のようだったローソンの社員たちに、新浪は語りかけた。
「一緒にうまいおにぎりを作ろう」
 空しく響いたこの言葉を実現させることから、新浪の戦いは始まった。

コンビニ業界のトップはセブンイレブンであり、それにローソンやファミマが続いているという構図はずっと続いている。

新浪氏がローソンの社長に就任した時、社員には敗北意識がしみついていた。

そのため、新浪氏が最初に着手したのが「おいしいおにぎり」を作ることだった。

プリジェクトチームを作り、商品開発を続けた。

結果は予想を超えた大成功だった。

2002年11月に発売して以降、コンビニ業界の「常識」を覆すような168円の高級おにぎり「新潟コシヒカリおにぎり」は売れに売れた。

強気の発注をかけていた山陰地方は見事に売り切り、その「成功」を知って他の地方も追随。

予想の2倍のペースという売れ行きにプロジェクトチームは沸いた。

この「成功体験」を通じて社内の雰囲気が少しずつ変わっていく。

同じ土俵の総力戦に引き込まれたら負けるのであれば、戦力を集中投下して「勝てる局地戦」に必ず勝つ。

どうしても勝てないなら、イノベーションによって「戦いのルール」を変える。

「勝てない」という先入観と諦念を打ち壊していく。

優れた経営のリーダーシップは、越えることなど想像もできない巨大な壁に挑む「意志」を組織の中に生み、鼓舞する。

もちろんただやみくもに挑むのではない。勝てないゲームのルールを変えてみせる。

自らの限られた経営資源を組み替え、最適化し、「こうすれば勝てる」と戦略を示す。

「そうか、戦っていいのか」

「ひょっとしたら自分たちは勝てるんじゃないか」

組織にはびこる敗北主義がじわり溶けていく。

市場セグメントを小さくして、『ここなら負けない』という『強み』を見いだしていく。

そうやって『細分化した市場』を極めて『ナンバーワン』になることで、組織の中にモチベーションとか誇りとかが生まれてくる。

新浪氏のやったことは、まさにこのことで、それをスピード感をもって徹底してやったということではないだろうか。

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