GOOGLE流疲れない働き方/ピョートル・フェリークス・グジバチ
ポーランド出身の僕には「忖度」という言葉がピンと来ないため、いろんな人に定義を聞いてみましたが、人によって言うことが違うので、ますますわからなくなります。
そこで、「じゃあ、職場であなたが『忖度しろ』と言われたらどうするんですか?」と聞いてみたところ、「上司が心の中で望んでいることを推測して、言葉に出される前に動くかなあ」などと答えてくれたりします。
なるほど、「忖度」とはそういうことなのですね。
確かに「忖度」という言葉は外国人には理解不能のことばかもしれない。
日本人のサラリーマンはみんな疲れているとよく言う。
それは「忖度」しすぎて疲れているのかもしれない。
上司が何を考えているのかよくわからない、相談すると怒られてしまうかもしれない。
だから、勝手に妄想を広げて、勝手に疲れてしまう。
忖度にはそんな一面がある。
人間の脳は「今のこの瞬間」しか認識できない。
不確かで余計な推測に振り回されて意識を集中できずにいると、エネルギーをすごい勢いで浪費してしまう。
その結果、ストレスレベルが上昇していき、必要なことに十分なエネルギーを注ぐことができなくなる。
結果、上司が「やれ」と言ったことだけを無難にこなすだけになってしまう。
一方「わからない」ことを「わからない」と聞いたり、相手に何でも質問できる組織は、忖度の必要がない。
日本では、「わからない」と言ったり、相手に質問したりすることを、恥ずかしがる方が多い。
質問すると「バカだ」と思われるのではないかと恐れているように感じる。
日本人の生産性を上げるには、まずこの「忖度文化」を変えることから始めてもよいのかもしれない。
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