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2018年9月20日 (木)

公務員の異常な世界/若林亜紀

Photo 発端は私が犯した「ミス」でした。私はこの前年まで経理課に配属されていました。研究所では労働問題の研究のために雇用保険料から年に六〇億円(当時)の予算をもらっていましたので、競争入札などを徹底して、二億円を節約して国に返しました。
「けっこう辛かったけど、がんばったわ」
 と一人喜んでいましたが、誰もほめてくれません。それどころか、経理部の上司は監督官庁である厚生労働省からきつく叱られたそうです。
「せっかく予算をとってやったのに、使い切らないで返すとは何事か。これでは来年の予算が削られてしまうではないか」
 お役所仕事の空しさ、バカバカしさを思い知った一瞬でした。

昔から公務員といえば、「遅れず、休まず、働かず」といわれていた。

本書を読んで、これが昔のことではなく、今もほとんど同じであるということを知らされた。

国家公務員の平均年収は約800万円である。

ボーナス前の査定もなく、同期ならみな同じ額のボーナスがもらえる。

民間で、特に中小企業でこれだけの年収をもらう社員は一部である。

私の関与する中小企業の場合、平均年収はせいぜい400万円といったところだろう。

これだけの給与をもらうのであっても、それだけの仕事をしてくれるのであれば納得できるのだが、実際は不祥事続きである。

そして予算は使い切らなければならない。

そうしなければ、次の期の予算がつかないからである。

お役所はなぜこんなに赤字を出してまで予算を増やしたがるのか。

それは、「ポストは予算についてくる」と言われ、予算が増えると、それに応じて部署の数や外郭団体の数が増え、管理職ポストや天下りポストが増えるから。

役所では、予算の獲得が出世につながる。

そのためには、予算は使い切らなければならない。

「公務員の常識は民間の非常識」ということではないだろうか。

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