「地頭力」のつくり方/山中俊之
日本のビジネスパーソンが学んでいないことはデータでも裏づけられています。大学入学者の中で社会人経験があると推定される 25 歳以上の割合は、日本は2%程度であり、OECD諸国の平均が 20%程度であるのと比較してはるかに低くなっています(文科省およびOECD資料)。この数値から、大学卒業後に大学や大学院に入って学び直す人が少ないことがわかります。
今のような変化の激しい時代では、過去身に着けた知識や技術が陳腐化する速度も速い。
そのため、絶えず知識・技術をバージョンアップしていく必要がある。
ところが、世界的に見ても日本のビジネスパーソンほど勉強しない国民はいないという。
企業研修においてもそうである。
研修にかける費用は、米国の大企業では1人あたり平均1000ドル以上かけることが多いといわれる一方で、産労総合研究所によると、日本では4万円台とされている。
世界水準で見ると日本人ビジネスパーソンの能力開発への投資は大変に遅れているという事実をまず認識することが重要だ。
私たちはもっと世界に目を向ける必要がある。
著者がさまざまなマスメディアを検証したところ、8割から9割が日本中心、日本起点の情報であり、世界のごく一部でしかない日本の情報が大半を占めていたという。
情報が非常に偏っているのである。
普段私たちが接している情報は、次のような理由でとても部分的。
第一に、日本起点、日本中心の情報に偏っていること。
第二に、大手マスメディアやソーシャルメディアなどの思惑や噓の入り混じった一部情報に左右されてしまうこと。
第三に、そもそもメディアで情報になっていないことや自ら収集できない情報が抜け落ちていること。
これでは世界で何が起きているのかわからなくて当然。
大事なのは、過去の学歴ではなく、今どんな新たな知識を身につけて成長をしているかだ。
知識のバージョンアップが求められているという認識を持つべきだろう。
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