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2018年9月30日 (日)

町工場の娘/諏訪貴子

Photo 2代目はカリスマ性やリーダーシップで圧倒的に劣る。勘で動く自信がないから、すべての判断や行動の裏付けとして合理性が必要になる。

著者は中小企業の町、大田区にあるダイヤ精機の2代目社長。

社員30名程度の中小企業である。

創業者と2代目社長の大きな違い、それはカリスマ性である。

創業者の周りには大抵、創業者と苦楽を共にした創業メンバーがいる。

この結束によって企業を経営する。

そこに合理性はあまり存在しない。

社長の言うことはすべて正しく、社長が「白」といえば、「黒」も「白」になる。

不合理なことも社内では通ってしまう。

ところが2代目社長が経営を引き継いだとき、それが矛盾点として噴出する。

中小企業の場合、多くが同族経営である。

つまり、2代目社長は社長の息子か娘。

創業メンバーは彼らを子供の頃から見ている。

場合によっては「このガキが」という感情が沸き上がり、最悪の場合、抵抗勢力になる。

2代目社長がこの壁を乗り越えるのにはパワーだけでは不可能。

合理性が必要になる。

さらに多くの場合、ボトムアップの経営手法を取る。

社員のどんなにささいな提案でも、会社が必ずそれを取り入れる。

自分が提案した改善策が実現すれば、モチベーションが上がり、さらなる改善のタネを探し、気付き、実行するようになる。

社員にとっては、「自分の努力や工夫で会社を変えられる」ことが大きな励みになる。

社員一人ひとりの変化を見つけては「髪切ったんだね」「目の下のアザ、どうしたの?」と声をかける。

社員の変化や頑張りを認めることによってモチベーションを上げる。

これがうまくいくと、2代目社長は創業者以上に会社の業績を回復させるようになる。

著者はまさにそれを地で行っている。

このやり方、女性社長に限らず、2代目社長には大いに参考になるのではないだろうか。

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