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2018年9月27日 (木)

「その日暮らし」の人類学/小川さやか

Photo_2 不確実であることが、「希望」がないことと同義で語られる。先がどうなるかわからないことは、新しい希望にあふれているとも言えるのに。

日本では、終身雇用や年功序列賃金制度が期待できなくなっても、仕事をやめず会社にしがみつく人が多い。

このような価値観は、景気が悪化し、非正規雇用やワーキングプアなどの格差問題が顕在化した現在、ますます強まっているようにも感じる。

しかし世界的にみると、農業や漁業をのぞいて、一つの仕事を老いるまで続ける人のほうが圧倒的なマイノリティである。

世界的に見ればその日暮らしの人たちが大多数を占める。

ふだんは「何とかなるはずだ」という信念にみずからの生存を懸け、過度に自然や社会関係を改変せず、未来に思い悩まず「自然」のリズムでまったり暮らす。

いざというときは、呪術や超自然的な事象との関係も駆使して切り抜ける。

そのように解釈すると、彼らはたゆまぬ時間の流れのなかに緩急を生み出しながら、なかなかスリリングに生きている。

時間をあやつる達人のようにもみえる。

お金に困ったら、誰でもいいから助けてくれないかと、アドレスの順に沿って電話する。

そうすると誰かが貸してくれる。

自分だってお金があるときには困った人を助ける。

そんなことが当たり前のこととして行われている。

まさにケセラセラという生き方である。

こんな生き方もあっていいのかもしれない。

だだ、日本で暮らしている限り、それは難しいだろう。

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