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2018年9月 5日 (水)

成功ではなく、幸福について語ろう/岸見一郎

Photo 三木は、幸福と幸福感は違うということを前提に次のようにいっています。
「成功するということが人々の主な問題となるようになったとき、幸福というものはもはや人々の深い関心でなくなった」(『人生論ノート』)

本書は、三木清の『人生論ノート』を題材にして、幸福について考察をしたもの。

まず、押さえておきたいことは、成功と幸福とはイコールではないということ。

幸福は各自においてオリジナルなもので、質的なもの。

他方、成功は一般的なもの、量的なもの。

幸福は各自においてオリジナルなものであるというのは、幸福はその人だけに当てはまるのであり、その人にとっては幸福であることでも、他の人にとっては、幸福であるとは限らないということでもある。

また、幸福は存在に関わり、成功は過程に関わる。

三木によれば、成功は進歩と同じく直線的な向上として考えられる。

他方、幸福には本来、進歩というものがないということを指摘している。

幸福は存在だというのだ。

過程ではない。

今をこうしてここで生きていることが、そのままで幸福であるという意味。

どういうことかというと、幸福であるために何かを達成しなくてもいいということ。

実は私たちは既に幸福で「ある」のに、そのことに気づいていないだけなのだ。

だから、そのことに気づくという意味で、私たちは幸福に「なる」。

そういうことを知れば、何かを達成しなくても、今このままで幸福であるということに気づいた時に、人はその瞬間に幸福になる。

人間がもしも、今日という日を今日という日のためだけに使えたら幸福になれる。

でも、過去を思って後悔し、未来を思って不安になる。

その両方を手放すことが、これからの人生を生きていく上で大事なこと。

今はこれからの人生の準備期間ではないということ。

今はリハーサルではなく本番。

「今を生きる」

これが幸福だといえるのではないだろうか。

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