KPIで必ず成果を出す目標達成の技術/大工舎宏、井田智絵
極論すれば、リーダーが目標の達成をフォローし、PDCAを回していくための手法は何でもよいのです。フォローの活動を通じて、目標達成にこだわる姿勢を示し、組織内のコミュニケーションが強化されることに意義があるのです。手法そのものよりも活動の継続性の方が大切です。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略。
KPIマネジメントでは「KGIを達成するに当たり、決定的な影響を与える活動や施策」をCSF(重要成功要因/Critical Success Factor)として考え、整理していく。
そして、CSFに対する管理指標・管理基準値を、プロセスKPIと呼ぶ。
つまり、達成すべき目標(成果KPI)を明確にした上で、その目標達成の肝となる要因(CSF)を検討し、そのために何を高めるべきか、どのような活動を強化するべきかに対して管理指標(プロセスKPI)を設定し、管理していく。
つまり、PDCAを回すために、できる限りプロセス部分の数値化し、管理していく。
たとえば、全体としての目標達成のためには、構成要素の「何をどれだけ伸ばすか」という視点でブレイクダウンしなければならない。
たとえば、来期は売上を120%に伸ばすという全体目標ならば、そのために「既存製品を○○円まで伸ばす」「新製品を○○円販売する」「新規顧客開拓を〇〇社進め、そこから○○円の売上を獲得する」といった形で、目標を具体的に展開する。
それによって、曖昧さを排除し、具体的な施策を立ててゆく。
数値化しなければ、出来たのか、出来なかったのか、どのくらい出来なかったのか、それが明確にならない。
本書で書かれているKPIマネジメントはかなり複雑であり、私が普段接している中小企業には到底実行できそうにない、というのが実感である。
ただ、基本的な考えは、「プロセスを数値化する」ということである。
これさえしっかり押さえ、身の丈にあったやり方を導入すればよいのではないだろうか。
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