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2018年10月 9日 (火)

新幹線をつくる/早田森

Photo とはいえ、人間のやる仕事だから、どうしても誤差は出るだろう。その誤差を、各工程の技能者はなんとか自分たちのところで吸収しようとするが、吸収しきれない誤差がやっぱり残るのである(誤差は設計にフィードバックされる)。
 この工程に来るまでに少しずつ積み重なってきた、誤差や歪み。それらを最後に吸収するのが、近藤さんたち内装工場の仕事だ。そして全体の 帳尻 を合わせるために、内装工場の技能者たちはカンナやノミを振るって、自分たちにしかできない仕事をし、最終的には図面どおりに調整していく。

新幹線は日本のものづくりの粋が集積されたものである。

2011年度実績で1年間に走る全列車は約12万2000本あるが、その運行1列車あたりの平均遅延時間はたったの0.6分。

これは地震やゲリラ豪雨など自然災害による遅延を含めての時間だから、通常であれば、ほとんど数秒の遅れしか記録していないのではないかと言える。

当然、新幹線を作る各工程では高度な技術が要求される。

本書では様々なタイプの熟練工が登場する。

作業効率を劇的に改善させる独創的な治具を、有り合わせの鉄板で自らつくってしまう、天才肌の人。

誇るべき日本一の技能を持ちながら、どこまでも基本に忠実であり続けようとする、求道者のような人。

現場にこだわる一技能者ながら、ある意味設計者本人より高い見識を持つ、博覧強記の人…等々。

一芸に秀でた人が登場する。

これらはなかなか自動化できない部分でもある。

これらは、日本人特有の体質・気質からきたものであろう。

AIやロボットがこの分野に進出するのは、不可能とは言わないが、膨大な時間がかかるだろう。

これこそが日本の強みと言えるのかもしれない。

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