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2018年10月 8日 (月)

脳は、なぜあなたをだますのか/妹尾武治

Photo あなたは、無意識のうちに自分自身の脳に操られているのだ。脳があなたの行動をすべて決めている。そして「行為の主体は自分であり、すべての行動は、自分の意思で決めている」という錯覚が与えられているのである。脳にだまされていると言ってもいいのかもしれない。

私たちは自分の意思で意識して判断し行動していると思っている。

しかし、実際には、私たちの脳では、意識を伴わず無意識の力で、環境の変化に遅れないように、それに対応した適切な行動を取捨選択している。

遅れているのは、自分の意識だけというのである。

これを証明するものにリベットの実験がある。

リベットは、脳波計で脳の電位の変化を計測しながら、好きなタイミングで右腕の手首を上げてもらうという実験を行った。

この時、被験者の眼前には、2.4秒間で一周する時計がおいてあり、被験者は自分で手首を曲げようという意思を持った時点で、時計の針がどこにあったかを覚えて報告することを教示された。

その結果、意思を持ったとして記憶された時間は、手首を曲げる行動が起こる0.2秒程度前であったことがわかった。

そして驚くべきことに、手首を動かすことに対応した脳の準備電位は手首が実際に曲がる0.5秒以上前から生じていた。

つまり、準備電位の方が意思よりも少なくとも0.3秒程度先んじていたのである。

このことから言えることは、意識とは、行動に事後的に追随するだけの存在であり、意識は環境への行動の決定に対してなんら意味を持たない。

意識、意思は力を持たない存在であり、意思や意識で環境を変えているという思いは完全なる誤り、錯覚であるということ。

人間は環境からの作用を受けて、決まりきった反応をしているだけであり、すべてはDNAと環境の相互作用で決まる存在ではないだろうか。

自由な意思があると思うのは、錯覚ではないだろうか。

これがリベットの実験から導かれた帰結であった。

つまり私たちの行動の大部分は条件反射だということ。

認めたくないことであろうと、これは一つの事実なのではないだろうか。

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