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2018年11月10日 (土)

最高の体調/鈴木祐

Photo ブルックス博士は言います。
「私たちは自分の感情をコントロールし、意図的に影響を与えることができる。自分のストレスをいかに言葉や思考に変換するかで、どんな感情も再構築できるのだ」

「リアプレイザル」という手法がある。

名前は難しそうだが、やることは簡単。

スピーチの直前にストレス反応が起き始めたら、「楽しくなってきたぞ!」や「興奮してきたぞ!」と自分に言い聞かせるだけ。

ハーバード大学のアリソン・ブルックス氏は、300人を集めた実験で「リアプレイザル」の効果を証明した。

すべての被験者に「スピーチ」「カラオケ」「数学のテスト」などを指示したところ、自分のストレス反応を「楽しくなってきた」とポジティブに解釈したグループは、それぞれ17~22%も成績が良くなったというのである。

これは日常の様々な場面で使える。

たとえば、いきなり道端で知らない人に怒鳴られたとする。

普通なら「なんだこいつ!」と頭に血がのぼる場面だが、一歩引いて「何か悪いことがあったのかもしれない」などと考え直してみるのも「リアプレイザル」の一種。

それだけで、ある程度は感情の波がおさまっていく。

「リアプレイザル」が効くのは、そもそも「緊張」と「興奮」の感覚は、どちらも人体の反応という点では変わらないから。

人前でスピーチをするときでも、会社で昇進が決まったときでも、人間の体は同じように心臓が激しく脈打ち、同じようにコルチゾールが分泌される。

このとき私たちの体は外部の刺激に態勢を整えただけで、その反応を「緊張」と「興奮」のどちらに解釈するかは脳の判断にゆだねらる。

これは、古代の環境を考えてみれば、当たり前の話。

サバンナで猛獣に襲われたときだろうが、美味そうな獲物を見つけたときだろうが、すぐに行動を起こさねばならない点で両者に変わりない。

ここで対処のシステムを2つに分けていたら、反応のスピードが遅くなる。

さらに、リアプレイザルは、使えば使うほどストレスに強くする性質も持っている。

被験者の脳をfMRIで調べたある実験では、嫌な体験をポジティブに解釈しなおした直後から扁桃体の活動が低下し、「リアプレイザル」が上手くなった被験者ほどネガティブな体験に脳がパニックを起こさなくなったという。

つまり「リアプレイザル」は感情の筋トレとしても使えるわけだ。

ストレスに強くなるためにも、日常的に使ってみたいと思う。

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