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2018年11月12日 (月)

IOTとは何か 技術革新から社会革新へ/坂村健

Photo コンピューターの組込まれたモノ同士がオープンに連携できるネットワークであり、その連携により社会や生活を支援する──それがIoTなのである。  

IoT(Internet of Things)、言葉どおりにとれば「モノのインターネット」。

「インターネット」という言葉が入っているが、これは単にモノをインターネットで繫ぐという意味ではない。

IoTはむしろ「インターネットのように」会社や組織やビルや住宅や所有者の枠を超えてモノが繫がれる、まさにオープンなインフラを目指す言葉と捉えるべきだ。

IoT化した世界の理想像とは、あらゆるモノに超小型チップが付き、センサーネットワークにより状況を高精度に把握できる世界になると、さまざまなプロセスについて最適制御が行えるようになる。

エネルギーの問題を例にとると、小さなセンサーチップをシャツに付けると、体の表面温度やそのときまでの熱履歴がわかり、その情報を直接空調機に送ることで個人個人に最適の温度調節を行う。

リモートコントロール端末を使うものよりも、きめ細かな温度制御が自動でできるようになる。

例えば、暑い外から帰ってきたばかりの人には、その瞬間だけすばやく冷やして熱履歴をリセットさせ、その後はあまり冷やさなくても快適と感じるようにする。

また、同じチップがその日の着用状況から汗などの汚れの量を推定してくれれば、洗濯機がそれを読み取って、汚れが少なければ簡単な水洗いで済ませるなどの判断も可能になる。

このように細かい個人向けの制御を行うことで快適性を維持したまま不必要なエネルギー消費を避けられれば、社会全体としての実効的な省エネルギーにも繫がる。

ビル全体がIoT化してビルというひとつの建物全体でひとつの組込みシステムとして働くようになっていれば、例えばエレベータホールの動体センサーでホールで待っている人間の数、さらにはビッグデータ解析による、その時間帯とフロアの人口分布による、移動予測といったものまで最適制御に利用できる。

このように、IoTには大きな可能性がある。

だが気になるのは、日本の規制の多さである。

日本は技術の高さでは国際的にもトップクラスである。

ところがその優位性が十分に生かされないのは、日本の閉鎖性であり、規制の多さである。

オープンであることが求められるIoTの世界で、これらが足かせにならなければよいのだが。

そのことが一番の懸念材料である。

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