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2019年1月27日 (日)

生産性向上だけを考えれば日本経済は大復活する/三橋貴明

Photo_2 日本の生産性が伸びないのは、別に日本国民が努力をしなくなったからではない。単に、デフレでGDPが伸びないためなのである。

最近、日本人の生産性が低いことが話題になる。

そしてそれは日本人の働き方が悪いからだ、だから「働き方改革」だと話が進んでいく。

この話の進め方、ものすごく違和感がある。

確かに日本人の働き方が悪いという面もあるだろう。

しかし、それはせいぜい原因の1割程度ではないだろうか。

大部分の原因は他にある。

著者は日本の生産性が低いのはデフレでGDPが伸びないためと断言する。

私もまったく同感である。

京都大学大学院の藤井聡教授によると、労働生産性とGDPの「相関係数」は0.96とのこと。

0.96という相関関数は、両者がほぼイコールであると断定しても構わないほどに高い値である。

バブル崩壊後、 97年の橋本政権による緊縮財政で、日本経済はデフレ化した。

デフレの国では、物価以上のペースで所得が落ちていく。

すなわち、実質賃金が縮小し、一人の労働者では一家を養うことが不可能な国に落ちぶれた。

結果的に、共働きが増加し、少子化も進行した。

デフレの問題は物価の下落というよりは、所得の縮小。

厳密には、物価の下落を上回る所得の縮小。

すなわち、実質賃金の下落である。

生産性向上とは、あくまで労働者数を「増やさずに」生産量を拡大すること。

そのためには投資が必要。

設備投資、公共投資、人材投資、そして技術投資。

四つの投資のみが資本、労働、技術という「経済の三要素」を強化し、生産性向上を実現する。

投資なしで生産者一人当たりの生産を継続的に高めていくことは、不可能である。

中でも最もリスクが低く、生産性向上までの期間が短いのが人材投資である。

人を雇い、教育し、様々な経験を積んでもらう。

働いた経験を持たない新人、最初は何の役にもたたず、足を引っ張るだけの新人も、仕事の経験を積むことで戦力になっていく。

また、人材投資は金額が相対的に安い。

設備投資で大規模工場を建設する場合、最低でも十億円規模の投資が必要になる。

それに対し、人材投資は生涯収入で考えても数億円レベルで済む。

経営者はもっと人材に投資するべきではないだろうか。

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