組織の未来はエンゲージメントで決まる/新居佳英、松林博文
これからの時代のマネジメントは、社員が意欲を持ち、知恵や創造性をいかんなく発揮するための「環境づくり」や「サポート」へと変わっていかなくてはなりません。
エンゲージメントは今、欧米の組織を中心に、重要な経営指標の一つとして注目を集めている。
エンゲージメントとは「従業員の一人ひとりが企業の掲げる戦略・目標を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲」と定義される。
組織改善プラットフォーム「wevox」では、エンゲージメントを左右する9つの要因を特定している。
・職務……職務に対して満足度を感じているか
・自己成長……仕事を通して、自分が成長できていると感じているか
・健康……従業員が仕事の中で、過度なストレスや疲労を感じていないか
・支援……上司や仕事仲間から、職務上又は自己成長の支援を受けているのか
・人間関係……上司や仕事仲間と良好な関係を築けているのか
・承認……周りの従業員から認められていると感じているか
・理念戦略……企業の理念・戦略・事業内容に対して納得・共感しているか
・組織風土……企業の組織風土が従業員にとって良い状態なのか
・環境……給与、福利厚生、職場環境といった従業員を取り巻く会社環境に満足しているのか
以上である。
そして残念ながら、日本企業では一般的に、エンゲージメントが非常に低いという調査結果が出ている。
エンゲージメントが高い組織は、生産性が高い。
エンゲージメントが高い組織は、離職率が低い。
エンゲージメントが高い組織は、質の高いサービスを提供できる。
エンゲージメントが高い組織は、製品の欠陥が少ない。
エンゲージメントが高い組織は、社員の欠勤が少ない。
エンゲージメントが高い組織は、イノベーションにも強い。
そのため、アップル、スターバックス、ナイキなど優良企業が経営上重視している。
どんな業種・業態でも、エンゲージメントは組織の成果に影響する。
日本でもIT企業などを中心に経営指標としての採用が加速している。
日本では古くから仕事とは歯を食いしばって頑張るものという仕事観がある。
まず、そのような仕事観から変える必要があるのではないだろうか。
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