知恵の構造について/串田孫一
私たちは内的生活を持っています。それはその人次第で、外的生活とはほとんど関連なく、貧しい暮らしをしながら、内的生活は、いつも春の野辺に 萌え出る草の芽に似た新生の歓喜で満たしていることもできます。逆にどれほど裕福な生活に明け暮れている人でも、その内的生活が味もうるおいもない、ただ埃っぽいものであることも珍しくはありません。
現代人は内的生活を軽視しがちだ。
豊かになるといっても、それは経済的な意味を指すことが多い。
しかし、本当の豊かさとは内的なものではないだろうか。
外見的には貧しくても内面が豊かであれば、それはそれで幸せであろう。
そして、それこそが人間たるゆえんであろう。
なぜなら、内的生活は人間しかできないから。
現代はIT社会。
インターネットによってあらゆる情報が世界中を駆け巡る。
状況はめまぐるしく変わる。
しかし、だからこそ、自分の内面に光を当てる必要があるのかもしれない。
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