評伝 出光佐三/高倉秀二
「出勤簿がない、定年制がない、労働組合がない、残業手当を社員が受けとらない等々の形をみて、出光の経営は変わっているということをよく言われる。しかし私から言えば、何も私が特別のことを考え出してやっているのではない、ただ 日本人として日本人らしく経営しているだけだ と思っている」
「社員は全員家族である」とした佐三氏が行ったそのユニークな経営スタイルは「出光の七不思議」と呼ばれた。
その七不思議とは、
1.馘首(解雇)がない
2.定年制がない
3.労働組合がない
4.出勤簿がない
5.給料を発表しない
6.給料は生活の保証であって労働の切り売りではない
7.社員が残業代をもらわない
以上である。
この会社には創業以来、出勤簿やタイムレコーダーがなく、解雇も定年制もない。
また権限の規定もなければ、罰則さえない。
さらに労働組合もなく、従って労働争議など一度も起きた例がない。
しかも社員は残業しても残業手当を受け取らないという、およそ現代離れした社風が連綿と受け継がれている。
確かにこれらは現在の合理性を追求する経営から考えれば、不思議というより非常識である。
でも、この会社の存在自体、経営とは結局社員を信頼することで成り立っているという原点を考えさせてくれるのではないだろうか。
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