人は「暗示」で9割動く!/内藤誼人
意識して行っているのか、あるいは数多くの経験をもとに自然と行っているのかは別として、実は、デキる人の多くが「暗示コミュニケーション」を実践している。
人は感情によって動く。
そして、理性的と思い込んでいる脳は非常に暗示にかかりやすい器官である。
だから、人を動かそうと思うなら、この「暗示」を利用すること。
例えば、印象的なキーワードを散りばめながら手短に話すと説得力が増す。
逆に長々と話すと、相手に対する影響は減少する。
また、物事には、ポジティブなものと、ネガティブなものの両面がある。
人に伝えるときには、ポジティブな物言いのほうが好まれるという原則がある。
だから、相手に良い印象を与えたいなら、ポジティブな物言いを心掛けること。
失敗を繰り返す部下に対して、「次は絶対失敗するなよ」というのは逆効果。
逆に「あと100回は、失敗したっていいぞ」「あきれるほど失敗してみろよ」と、いう方が効果的。
これにより、部下はリラックスして失敗が減る。
また、メッセージには数字を入れた方が説得効果が増す。
ワシントン大学のリチャード・ヤルチ助教授が126名のビジネスマンを対象にした実験がある。
その実験とは、数値を含むメッセージ「コンピュータを導入すると、人件費は5%から 45%も削減できます」と、数値を含まないメッセージ「コンピュータを導入すると、人件費がかかりません」を比較するというもの。
結果、前者のほうが、はるかに説得効果が高くなるという結果を得ている。
アムステルダム大学のW・ファン・エルデ博士によると、(1)結果の魅力 (2)結果の望ましさ (3)結果から予想される満足感 (4)結果の重要性、という結果をもたらすという見込みがあるとき、人は心を動かされるらしい。
だから、人を説得しようと思うなら、これら(1)~(4)を意識していれるとよい。
さらに、視聴率を上げるワードがあるというもの面白い。
テレビの視聴率調査によると、 ドラマの場合、タイトルに「殺人」をつけると、平均して1.6%視聴率が上がり、「グルメ」がつくと2%、「美人」「OL」がつくと3%も視聴率がアップするという。
これらはすべて人はいかに暗示にかかりやすいかを表している。
上手に利用することだろう。
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