ビジョントリガー/松田友一
たとえばアフリカ系アメリカ人の公民権運動のために生涯をかけたマーティン・ルーサー・キング牧師の墓には「全能の父なる神よ、私はついに自由だ」という言葉が刻まれています。
「黒人が自由になるために命をかけた人がここに眠る」と。
さて、あなたの墓碑銘は何ですか。
人は一本の木のようなものである。
根っこがあり、幹が伸び、枝が広がり、ようやく実がなる。
そして、根っこが「ビジョントリガー」である。
自分がどんな大木に成長したいのかというのは、他でもない、根っこが全てを決定する。
「ビジョントリガー」は、私たちが子どもの頃から、何十年もかけて培ってきた「人生の根っこ」のようなもの。
だから「ビジョントリガー」の存在をはっきりと認識することで、自分の見ている風景はガラリと変わる。
自分の「ビジョントリガー」が何であるかに気づくためには、人生観、仕事観、人間観などを問い直し、明らかにするプロセスが必要。
自分の人生観などを探る上で手がかりになるのは、最も印象深い過去の体験をいくつか思い出してみること。
自分と向き合い、「自分はこうなりたい」というイメージを徐々にでも浮かべるようになると、ずっと早く自分を成長させられる。
パワーがわいてくる。
著者が述べているのは「BE─DO─HAVE」の人生観でもある。
所有欲を満たすために生きる「HAVE─DO─BE」でもなく、とにかくがむしゃらに頑張り続ける「DO─HAVE─BE」でもない。
1番目にくるのが「BE」である。
「自分の生きる目的」「存在理由」を明確にするということ。
2番目にくる「DO」は、自分が思い描いた「BE」に一致した行動、生き方をするということ。
職場、家庭、友人関係は、自分の「BE」、即ち「目的」「存在理由」を表現する場。
「BE」が柱になって行動をすれば、成果を得られないことはない。
その結果、「HAVE」となって証明してくれる。
まずは、「自分がどのようになりたいか」「どのように生きたいのか」という「BE」を明確にすること。
これが「ビジョントリガー」になる。
実りある人生にするためにも必要なことではないだろうか。
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