« 日本国史/田中英道 | トップページ | 現代の正体/牛島信 »

2019年5月 1日 (水)

新版 ジャパンアズナンバーワン/エズラ・F.ヴォーゲル

F

 まず私が思い立ったことは、勤勉、忍耐力、克己心、他を思いやる心といった日本人の美徳と考えられる特質を検討してみることだった。しかしながら、日本人の組織、財界、官僚制などへのかかわり方を調べれば調べるほど、日本人の成功はそのような伝統的国民性、昔ながらの美徳によるものではなく、むしろ、日本独特の組織力、政策、計画によって意図的にもたらされたものであると信じざるをえなくなった。

本書は戦後の日本経済の高度経済成長の要因を分析したもの。

この中で著者は日本人の高い学習意欲、日本的経営、日本特有の経済・社会制度を評価している。

しかし、その後日本はバブルを迎え、バブル崩壊、失われた20年に突入し現在に至る。

今、日本は課題先進国である。

日本的制度の多くは変えなくてはならないと考えている人々がいる。

終身雇用制度、年功序列、社員の会社への忠誠心、エリート主義の官僚制度などである。

しかしながら、日本的制度には多くの美点がある。

非効率的で腐敗した、新しい時代にそぐわないような制度の温存を助けているものが「忠誠心」というスローガンであるとも言えよう。

しかし忠誠心に富んだ社員が、会社のためにするもう一踏ん張りの努力、長期雇用の社員が持っている一味違う知識と英智などが、明暗を分ける大きな違いをもたらすことが往々にしてある。

日本社会が持っている利点、高い技術レベル、社員の会社に対する、会社の社員に対する忠誠心、高い教育水準、質の高い官僚、低い犯罪率、世界中から学ぼうという姿勢、

これらはすべて日本が強く豊かな社会でいられる基盤であった。

何を守り、何を変えていくべきか?

令和を迎え、日本が問われていることではないだろうか。

« 日本国史/田中英道 | トップページ | 現代の正体/牛島信 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事