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2019年4月 4日 (木)

野村のイチロー論/野村克也

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 「4000本のヒットを打つために8000回以上の悔しい思いをしてきている。誇れるものがあるとすれば、その悔しさと向かい合ってきたこと」


本書は知将と呼ばれた野村氏のイチロー論である。

野球は、「失敗のスポーツ」である。

どんなに優秀な選手であっても、3回の内2回は三振したり凡打に終わっている。

つまり、失敗しているのである。

そして、失敗の確率をできるかぎり引き下げることが勝利への、成功への近道となる。

そのためには、成功よりはるかに多い失敗を次に活かすことが大きな意味を持つ。

失敗を糧にできる選手・チームと、できない選手・チームとでは、結果に大きな差が生じる。

これは野球にかぎった話ではない。

イチローもアメリカの小学校を訪れた際、子どもたちにこう語りかけたという。

「何かをしようとしたとき、失敗を恐れないでやってください。失敗して負けてしまったら、その理由を考えて反省してください。必ず将来の役に立つと思います」

成功し続ける人生なんて、絶対にない。

成功より失敗のほうが多い人がほとんどだろう。

たしかに失敗を振り返るのは気分がいいものではない。

だが、失敗を遠ざける者は、成功をも遠ざける。

失敗を受け入れ、原因をつきとめ、そこからどれだけ学ぶことができるかによって、その人の人生はずいぶん違ってくる。

イチローは「天才バッター」とよく言われる。

確かに持って生まれたものがなければあれだけの成績は残せなかっただろう。

しかし、「天才」と呼ばれながら、伸び悩む選手は掃いて捨てるほどいる。

もって生まれた資質の上に努力を積み重ねたからこそ、あのような成績を残せたのだろう。

その意味でイチローは「努力の天才」だったともいえるのではないだろうか。

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