リーダーのための! コーチングスキル/谷益美
言いたいことがあるのなら、本人に言わせるのではなくスパッと伝えてしまいましょう。 その上で、反論も含め、相手の言い分を語らせるコーチングに移行するのがお勧めです。
コーチングとは、ひと言で言うと「引き出す」コミュニケーション。
「引き出す」とは、働きかけて、隠れているものを表に出すこと。
相手から、気づきや行動を引き出し、変化と成長を促すために、しっかりと「聞く」姿勢が、コーチングの基本だ。
ところが、「引き出す」ということにこだわりすぎると、うまくいかないことがある。
それは「引き出す」のつもりが「誘導尋問」になってしまうことがあるから。
例えば「訪問件数が少ないから売上が伸びない」ことに気づいてもらいたい場合、
「問題は何だと思う?」
「これからどうなっていきたいの?」
こんなふうに、相手に言わせたい答えを持って問いかける質問は「誘導尋問」。
これは大抵うまくいかない。
それよりは「私は訪問件数が少ないことが問題だと思うんだ。その件についてどう思う?」
と、こちらの言いたいことをスパッといってしまうことだ。
質問は相手のためのもの。
これさえ押さえておけば、自分が知りたい情報を引き出す「情報収集」や、言わせたい答えを引き出す「誘導尋問」にはならない。
どうもうまくいかない、とコーチング実践の壁にぶつかったら、誘導尋問になっていないか、基本に立ち返ってチェックしてみることだと思う。
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