スパークする思考/内田和成
問題意識があれば、何となく引っかかる。一度目は、やや首を傾げただけで終わるかもしれないが、二度、三度とそういう場面に遭遇すると、もうそのままやり過ごすことはできなくなる。そうやって情報が強調されて認識されるようになる。そこから何らかのアイデアが生まれる可能性も高まる。
今、多くのビジネスパーソンは、ロジカルシンキングやデータ分析力が重要だと思い込み勉強する。
MBA卒業生、あるいは経営コンサルタントの好む各種の分析手法を珍重する。
必死にさまざまな情報をため込み、整理してデータベースを構築しようとする。
それで、分析力は身につくかもしれないが、斬新な発想力を失ってしまう。
そんなことは 辛いし、無駄だからやめようと著者はいう。
それより大切なことは勘を磨くこと。
勘というものは、多くの場合、過去の経験に裏付けされて自然と取捨選択をした結果であり、それほど非科学的なものではない。
当たる確率は決して低くない仮説なのだ。
勘を磨くために必要なのは、問題意識だ。
問題意識さえあれば、脳の中で特定の情報に印(レ点)をつける行為はスムーズにできるはずだ。
脳に印をつけることによって後々の情報活用がぐんと楽になる。
スパークとは、火花が飛び散るように、いいアイデア、発想が生まれる、ひらめくことをいう。
スパークとは、ある事柄に問題意識や興味を持っているときに、ある現象に遭遇すると、その現象が触媒となって、自分がこれまで持っていた頭の中の情報と化学反応を起こして生じるひらめきであると言うことができる。
今、発明家やアーティスト、あるいはプランナーだけでなく、誰であれビジネスパーソンにはいいアイデア、いい発想、いい企画というものが求められている。
そのためには問題意識をもって、人に会って、会話をしたり、議論を戦わせること。
情報収集の過程は、決してつまらない地道なものであってはいけない。
それ自体が想像力を刺激する、楽しい、そして創造的な作業でなければいけない。
情報収集において重要な点は、常に問題意識を持つということ。
これらのこと、多くの人が日常の中でやっていることではないだろうか。
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