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2019年5月24日 (金)

カスタマーサクセス/ニック・メータ、他

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 今日、消費者行動は、「所有」から「利用」へと移行している。一般の消費者だけでなく、企業の事業活動においても、この流れは加速度的に広がっている。

カスタマーサクセスとは、つまるところロイヤルティである。

どの企業もロイヤルカスタマーが欲しいもの。

特に定期収益ビジネスにとっては、ロイヤルカスタマーは必須である。

今は、売ることよりも長期的な関係をつくることが求められる。

新規顧客の獲得よりも既存顧客の保持が求められる。

このような時代、カギとなるのが「カスタマーサクセス」だ。

受け身で顧客に対応するのではなく、データを駆使して顧客を積極的に支援する。

そのために事業と組織のあり方を最適化する。

要するにカスタマーサクセスとは、顧客の成功につながるような組織または理念である。

顧客を大成功に導くために、理解しなければならないことは3つある。

第1に、顧客はどうやって成功を測っているのかを知ること。

言い換えると、測定単位は何なのか(時間の節約なのか、収益増加なのか、コストカットなのか、質の向上がもたらす財務上の具体的な成果なのか)。

そして、顧客が勝利宣言するために求められる成果は何かを知ること。

第2に、顧客はその価値を達成しているか(または、少なくとも現実的に達成が可能な道を進んでいるか)。

第3に、その過程で、顧客はどんなカスタマーエクスペリエンスを得ているか。

ちなみに、「カスタマー・エクスペリエンス」とは、商品やサービスの購入前後のプロセスや利用時に顧客が体験する、「心地よさ」「驚き」「感動」「誇らし」さなどの、感覚的だったり感情的だったりする付加価値のこと。

顧客が大成功するのを支援するには、まず何が顧客にとっての成功なのかを理解しなければならない。

実は、カスタマーサクセスとは、心理ロイヤルティを生み出すための手段なのである。

例えば、アップル製品を購入する人たちは、その品質が優れているからではない。

アップル製品やパッケージ、広告、そしてプレゼンテーションの質。

これらは購入行動を生み出すだけでなく、何らかの形で心の琴線に触れるような体験をも生み出してくれる。

スティーブ・ジョブズほど心理ロイヤルティの生み出し方に優れた人物は、後にも先にもいないかもしれない。

カスタマーサクセスは今後のビジネスの成否を決めるキーワードになるかもしれない。

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