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2019年6月21日 (金)

バカになれ!カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」/水野和敏

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 バカになれ。バカになって、本質だけを見ようよ。
 学校教育で詰め込まれた知識をいったん捨てて「バカ」になる。周囲から非常識と思われるほど、「なぜ?」「どうして?」と原理原則に戻って考えてはじめて、本質からの発想ができる。


本書の著者、水野氏は、日産GT-Rでカルロス・ゴーンCEOから「ミスターGT-R」として企画・開発・生産から販売まで全権を委任され、カリスマ性を発揮したエンジニアである。

「ヒト・カネ・時間は通常の半分」というポリシーのもと、「街乗りでもサーキットでも通用するマルチパフォーマンス・スーパーカー」としてGT-Rを世界トップブランドに育て上げた

著者は、大事なのは、ブランドというものの本質を創ることだという。

では、ブランドとは何だろう?

著者の発想の根幹はいつも、「時間と価値」にある。

ブランドとは、時間が経っても、価値が下がらないもの。

むしろ時間によって価値が増すものだという。

価値の本質とは何か?

それは「時間によって変化しないもの」だ。

金、銀、プラチナや、ダイヤモンドに価値があるとされているのは、金属のなかでも錆びない、鉱石のなかでも傷つかない、つまり経年変化しないことを古来から人間が知っていたからだ。

だからGT-Rは、新車から3年後の残存価格率の日本一を目標にしたという。

たとえば日産やトヨタ車は3年後に50%以下の値段となり、6年後ならゼロだ。

BMWやベンツは3年後なら70%前後、ポルシェなら75%となって売られている。

GT-Rはさらにその上、3年後の残存価格80%以上を実現した。

どうしてそのような発想ができたのか?

それはバカなれたからだという。

バカになったとき、はじめて本質をみることができる。

大企業で働く人間は、端から失敗しないようにということばかり考えて仕事をしがちだ。

失敗しないことを前提に考えると、答えの出ている過去ばかりを見て、未来に挑戦しようとしなくなる。

でも、それでは新しいものは生み出せない。

失敗こそが未来の成功へのエネルギー。

そういつも肝に銘じて行動することだ。

挫折し、ゼロリセットを経験した人間は強い。

開き直れるからだ。

昨日までの自分を捨てて、無心で今日の自分を作ること。

いつでもゼロリセットして、開き直れる自分を作れたとき、人間は最高の強さを発揮するようになる。

著者がいう「バカになれ」とは、そういうこと。

ここ一番でバカになれるかどうかが勝負を決する、ということではないだろうか。

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