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2019年6月 6日 (木)

いまこそ知りたいAIビジネス/石角友愛

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 あるリサーチファームの研究によると、AIが経済に融合したら、日本のGDPは現在の3倍以上に伸びるという。アメリカの伸び率は1.7倍なので、ポジティブな見方をすれば、日本は「AI伸びしろ」が大きいといえる。このチャンスを逃すべきではない。

ひと言でいうと、AIビジネスとは、「AI技術を使って企業の課題を解決する方法を提案し、実装すること」。

そして、AIビジネスデザインとは、「経営者や事業担当者とデータサイエンティストの間に立ち、AIビジネスを創造する仕事」である。

電気や電話やインターネットがそうであったように、AIは近い将来、間違いなく私たちの生活のインフラになる。

AI導入は企業サイズにかかわらず、「今やらなければ手遅れになる」状態にあるというのが世界的な共通認識だ。

AIビジネスに携わる人間からすれば、AIとは学問領域の名前や、機械学習、ディープラーニングなどの手法の総称という理解が一般的だという。

ところが世間では、AIを〝ロボット的な何か〟と考えている人が多い。

AIビジネスを考えるうえでは、この擬人化が弊害になる。

AIビジネスにかかわる人間は、「AI」を一人称の主語として使わない。

AIは、火や電気やインターネットと同様で、単なるツールでしかない。

むしろAIの導入によって、8時間の勤務時間のうち、6時間が浮いたのであれば、その時間をより重要な仕事に充てることができる。

今、日本は高齢化と少子化で、慢性的な人手不足だ。

この先はより一人あたりの生産性を上げていかないと、国際競争の中で生き残っていけない。

機械に任せられる部分は任せ、限りある時間を人間にしかできない仕事に充てていくと考えることは重要である。

これからは、AIに仕事が奪われる時代になるのではなく、AIを使いこなしてより良い仕事をしてキャリアアップしていく人と、そうでない人に分かれる時代になる。

トーマス・フリードマンは書籍の中で、今後生き残れるのは3つのタイプの人材と書いている。

ここで示される3つのタイプの人材は、AI時代に必要とされる人材とほぼ共通している。

ひとつは、「特化型」。

代替のきかない特化した高度でプロフェッショナルな技術を持っている人。

たとえば誰にも真似できない自分の商品と市場を持っている人がこれにあたる。

芸能人やアスリート、国立がんセンターで癌患者のオペを行なう医者や研究者など、簡単にAIで踏襲できないスキルを持った人があげられる。

その次に言われているのが、「グレート・アダプター」と呼ばれる「適応者」。

これは高い技術力を持っていて、市場で何が求められているかを考えながら、自分をいろいろな場所に適応させることができる人と定義される。

そして最後のひとつが、「シンセサイザー」と呼ばれる「合成役」。

これは、異業種の人材をまとめて動かす、コミュニケーション能力が高い人材を指す。

AIで仕事が自動化すればするほど、最後に残るニーズはAIで吐き出されたデータをどう価値に変えて、どう事業に結びつけていくかを考えることが必要になる。

これは、まさに「合成役」の仕事だ。

日本ではいまだに「AIに仕事を奪われる」論が幅をきかせているが、まずこの発想を変えることが必要なのではないだろうか。

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