置かれた場所で咲きなさい/渡辺和子
私は変わりました。そうだ。置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、決心することができました。それは「私が変わる」ことによってのみ可能でした。
置かれた場所で咲くということは、現実に妥協し仕方がないと諦めることではない。
環境のせいにすることなく、その場で自分ができる最大のことをすること。
原因自分論ということをユニ・チャームの創業者、高原氏が唱えた。
環境を変えようとするのではなく、まず自分を変えること。
自分が変わったら、もしかしたら自分の接する家族、友人、同僚、部下、上司が変わるかもしれない。
周囲が変われば、もしかしたら環境が変わるかもしれない。
あくまで、原因を自分に求めるという考え方である。
どうしても咲けない時もある。
雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。
その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張る。
次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。
環境や境遇を選ぶことはできないが、生き方を選ぶことはできる。
『「今」というかけがえのない時間を精一杯生きよう』というのが著者が本書に込めたメッセージではないだろうか。
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