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2019年7月19日 (金)

京セラフィロソフィ/稲盛和夫

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 トップが持つ人生観・哲学・考え方、これがすべてを決めるのです。会社というのは、結局トップの器量、トップの人格に合ったものにしかならないのです。「カニは甲羅に似せて穴を掘る」と言いますが、自分の器以上、人格以上の会社になるはずがありません。会社を立派にし、自分の人生をすばらしいものにしようと思えば、自分の人間性を高め、人格を磨いていく、それ以外にはありません。


創業時、悩んだ末に稲盛氏が思いついたのが、「人間として何が正しいのか」と自らに問い、正しいことを正しいままに貫いていくこと。

誰もが子供のころに、学校の先生や両親から教えられ、よく知っている、プリミティブな倫理観がある。

例えば、「欲張るな」「騙してはいけない」「うそを言うな」「正直であれ」といった教え。

そのような普遍的な倫理観に基づいて、すべてのことを判断することにした。

そして、それらをまとめたものが京セラフィロソフィだ。

その中の一つ、『人生や仕事の結果は、「考え方×熱意×能力」という方程式で決まる』という言葉は有名だ。

例えば、「能力」という点では決して一流とは言えなくとも、誰にも負けない努力をするという「熱意」があれば、素晴らしい結果を残すことが出来る。

特に、これは、足し算ではなく掛け算で計算するので、どんな一流大学を出た人よりも、「能力」は多少劣っても、ものすごい「熱意」を持った人のほうがすばらしい結果を残すことができるはずだ。

足し算で考えると、その差はわずかでも、掛け算で計算するとその差は大きく開く。

これに、「考え方」が掛かってくる。

「考え方」だけはマイナスがある。

極端な例だが、「世の中はしょせん、矛盾だらけで不公平なんだ。だから自分は泥棒稼業で生きていこう」と考えたとすれば、これはマイナス思考をしているわけだから、たとえ能力と熱意が100あっても、考え方がマイナス10とすると、その積はマイナス10万ということになる。

つまり、「考え方」がネガティブだと、結果は必ずマイナスになる。

世間にはよく、一流大学を出て、また決してそんなに怠け者でもないのに、業績が上がらない、会社がうまくいかない、人生がうまくいかないという人がいる。

多分それは、「考え方」が少しマイナスだからだ。

考え方が少しマイナスであっても、掛け算をすると結果は全部マイナスになる。

「あの人は少し人間性に問題がある」と言われても、その評価は全体から見れば少ししか響かないというのではない。

すべてマイナスになってしまう。

一方、「あの人は学校も出ていないし、大した教養もない。だけど仕事熱心で、人柄もいい」という人が立派な会社を経営しているというケースはいくらでもある。

「考え方」というものは、それほど大きな影響を及ぼしている。

『人生や仕事の結果は、「考え方×熱意×能力」という方程式で決まる』ということば。

シンプルだが本質をついているのではないだろうか。

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