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2019年7月29日 (月)

GIVE&TAKE/アダム・グラント

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 テイカーが自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。テイカーなら、得られる利益が損失を上回る場合にかぎり、相手の有利になるように協力する。一方ギバーなら、いつ何時も、損失より「相手」の利益のほうが上回るように手を差し伸べるのだ。


本書は、ギブ&テイクという関係における人の特徴について述べている。

ギバー(giver)、人に惜しみなく与える人。

テイカー(taker)、真っ先に自分の利益を優先させる人。

マッチャー(macher)、損得のバランスを考える人。

人はこの3種類に分けられるというのである。

そして、テイカーが自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。

テイカーなら、得られる利益が損失を上回る場合にかぎり、相手の有利になるように協力する。

一方ギバーなら、いつ何時も、損失より「相手」の利益のほうが上回るように手を差し伸べる。


研究では、ギバーは普通、人目につく・つかないにまったく関係なく役に立とうとする。

しかし、テイカーは人目につく場合において実行する傾向があることがわかっている。

ある調査でも、ほかの人に結果を見られる会議では、テイカーは多くのアイデアを出すことが明らかになっている。

しかし結果が非公開の場合には、あまり協力しない。

テイカーが成功を、人を出し抜いて優れた成果を達成することだと考えるのに対し、マッチャーは成功を、個人の業績と他人の業績を公正に釣り合わせることだと考える。

一方、ギバーは成功を、他人にプラスの影響をもたらす個人的なものだと考える。

そして、短期的に見るとテイカーの方が利益を得る。

しかし、長期的に見た場合、テイカーの成功には限界がありギバーが成功を収める。

マッチャーは可もなく不可もなくといったところ。

つまり、自己中にならずに他人の利益のために動けば自分にも利益が来る。

でも与え過ぎたら利用されるから人を選んで貢献すべしということである。

そしてキバーの代表例としてリンカーンを挙げている。

奴隷の解放にしても、大義のために自分の政治的機会を犠牲にしたことにしても、また、有罪と思われる依頼人の弁護を断ったことにしても、リンカーンは首尾一貫してより大きな利益のために行動していた。

歴史、政治学、心理学の専門家が歴代大統領を調べたところ、リンカーンは紛れもないギバーであることがわかった。

「たとえ自分にとって都合が悪かろうと、リンカーンはあえて人を助け、市民一人ひとりの幸福を常に気づかっていた」と二人の専門家は書いている。

リンカーンほど、利己的でなく、自己中心的でなく、うぬぼれ屋でもない大統領はほとんどいないという。

成功を長期的に見るか短期的に見るかで、ギバーとして生きるか、テイカーとして生きるかが決まるということではないだろうか。

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