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2019年7月 3日 (水)

経済学者の栄光と敗北/東谷暁

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 ケインズの一字一句が正しくないとしても、ケインズが指摘したさまざまな事態はいまも起こっているし、ケインズが不況対策として提示したことも、意味を失っていないとクルーグマンは論じる。


本書には、14人の経済学者が登場する。

その中で、私が知っているのはケインズ、フリードマン、ドラッカー、クーグルマンぐらいである。

近代経済学はケインズに始まり、次にそれを否定する経済学者が次々と登場し、最後はまたケインズに戻ってきたという印象である。

ケインズは、不況とは、消費性向や資本の限界効率が下落し、総需要が低下して完全雇用に達しなくなった事態に他ならない。

そこで不況に陥ったとき政府自らが投資を試みれば、その投資が新たな所得を生み、その所得がまた新たな消費を生む。

このように主張する。

その後、ケインズを否定する経済学者が続々登場する。

そして本書で最後に登場するのがクルーグマンである。

クルーグマンはフリードマンのマネタリズムやルーカスの合理的期待を批判しつつ、「ケインズ主義は基本的には正しい」と主張して注目された。

さらに2008年にリーマン・ショックが起こると、今度は「ためらいなき財政出動」を主張した。

2012年刊行の『さっさと不況を終わらせろ』では、アメリカと世界を襲う不況の二番底を回避するため、思い切った財政出動が必要だと論じている。

考えてみるとアベノミクスもケインズ主義の影響を少なからず受けているといえるのではないだろうか。

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