« 京セラフィロソフィ/稲盛和夫 | トップページ | 稼ぐ男に育てる、たった6つの習慣/山村裕志 »

2019年7月20日 (土)

自動車革命/NHK取材班

Photo_20190718083001

 オールジャパンの電池開発のチーム発足会で、NEDOの責任者が語った挨拶の言葉。
「この蓄電池開発競争に遅れをとれば、A社もB社もC社もない。わが国の産業競争力の根幹に関わることである」
 海外勢を圧倒する技術力をもう一度手にしなければと訴えるその緊迫感に、日本の置かれた位置を見る思いがした。

半導体や液晶など、一度は世界一の座をつかみながら、国を挙げた競争に敗れ、国内メーカーが苦戦を強いられるという「ニッポンの負けパターン」が近年定着しつつある。

そして今、電気自動車の開発競争が激しさを増している。

なぜ電気自動車なのか。

それは新規参入が比較的容易だからだ。

既存の自動車会社はすでに取引先を固定し、過去50年、同じやり方でクルマをつくり続けてきた。

それを変えるのは大変なこと。

一方、新しい会社は何のしがらみもない。

最初から自分たちで方向性を決めてスタートすればいい。

それは「電気」だから可能なこと。

ガソリン車に必要とされる3万点といわれる部品は必要ない。

ひしめくように狭いスペースに収める「すりあわせ」と呼ばれる繊細な調整も必要ない。

だから製品の根幹をなすキモの部分だけを開発すれば、あとは必要なものを必要なところから集め、つくってもらえばいい。

iPhoneなどの主力商品でデザインと機能は自社で開発するが製造は台湾などがほとんどというアップルの製品のつくり方に似ている。

その中で、リチウムイオン電池はカギとなる技術だ。

電池を制する者が世界を制するといっても過言ではない。

ではなぜ「オールジャパン」なのか。

そこには多くの日本の企業人が共有する「苦い思い出」がある。

半導体や液晶などの世界競争で、トップの技術を誇りながら、国内のライバルが足を引っ張り合い、海外勢に追いつかれてシェアを落とした。

何度も繰り返した「負けパターン」は「日本病」とも呼ばれる。

そろそろ改めなければとみなが思っている。

「勝ちパターン」を身につけないとニッポンのものづくりは終わってしまうかもしれないという危機感が、経営者、現場の技術者を問わず、関係者の胸に満ちている。

今後、この開発競争はどうなっていくのか?

目が離せない。

« 京セラフィロソフィ/稲盛和夫 | トップページ | 稼ぐ男に育てる、たった6つの習慣/山村裕志 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事