ビジョナリー・カンパニー②飛躍の法則/ジム・コリンズ
偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。
飛躍を導いた指導者は、三つの単純な真実を理解しているという。
第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、環境の変化に適応しやすくなる。
第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。
適切な人材なら厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もない。
最高の実績を生み出そうとし、偉大なものを築き上げる動きに加わわろうとする意欲を各人がもっている。
第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。
偉大な人材が揃っていなければ、偉大なビジョンがあっても意味はない。
大切なことは適切な人材を集めることだけではない。
それだけであれば、新しい点は何もない。
まずはじめに適切な人をバスに乗せ、不適格な人をバスから降ろし、その後にどこに行くかを決めることということ。
「だれを選ぶか」をまず決めて、つぎに「何をすべきか」を決める。
ビジョンも、戦略も、戦術も、組織構造も、技術も、「だれを選ぶか」を決めた後に考える。
この原則を厳格に一貫して適用する。
従来の考え方は「何をすべきか」をまず決め、それに適した人を選ぶことが良いとされていた。
飛躍した企業を調査した結果は逆だったというのである。
これは非常に興味深い。
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