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2019年9月 1日 (日)

ビジョナリー・カンパニー④/ジム・コリンズ

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 誰もが分かっている事実が一つある。これから何が起きるのか、誰も知らないということだ。にもかかわらず、一部の企業や経営者は並外れたやり方で大混乱の時代を切り抜けている。時代の変化に受動的に反応しているのではなく、自ら何かを創造している。単に生き残っているのではなく、勝ち進んでいる。単に成功しているのではなく、躍進している。すなわち、持続可能で偉大な企業をつくり上げているのである。

著者は、不確実でカオスのような時代に他を圧倒して成長している偉大な企業7社を導き出した。

それを10X型企業と呼んだ。

10X型企業とは同業よりも最低10倍以上のパフォーマンスを上げている企業のこと。

そしてそれを率いるのは10X型リーダーだ。

調査対象になった10X型リーダーは、未来を予測できるビジョナリーではなかった。

「何が有効なのか」「なぜ有効なのか」を確認し、実証的なデータに基づいて前に進む。

リスク志向ではなく、大胆でもなく、ビジョナリーでもなく、創造的でもない。

より規律があり、より実証主義的であり、よりパラノイアなのである。

驚いたことに、イノベーションは成功のカギではない。

確かに10X型企業も多くのイノベーションを起こす。

しかし調査では、「10X型企業が比較対象企業よりもイノベーション志向である」という前提を裏づけるデータは出てこなかったという。

10X型企業が比較対象企業よりもイノベーションで劣るケースさえあった。

より重要なのは、イノベーションをスケールアップさせる能力、すなわち創造力と規律を融合させる能力である。

アップルに復帰してジョブズは最初に何をしたのか。

iPodでもないしiTunesでもない。

iPhoneでもないしiPadでもない。

まず規律を導入した。

規律がなければ創造的な仕事もままならない。

規律とは、本質的には「行動の一貫性」である。

一貫した価値観、一貫した長期目標、一貫した評価基準、一貫した方法。

長い時間を経ても行動が一貫しているということだ。

10X型リーダーはまったく手加減しないし、偏執狂的でさえある。

自らの探求に集中し、決して妥協しない。

何に出くわしても過剰反応せず、「長い物には巻かれろ」とも無縁だ。

自らの探求と無関係であれば、好機到来となっても飛び付かない。

並外れた粘り強さを持ち合わせ、自ら設けた基準から決して外れない。

誰にでも「ここは決定的に重要。だから完璧にやり遂げなければならない」という瞬間がある。

その瞬間を上手に生かすか、それとも浪費してしまうか、これで人生が左右される。

10X型リーダーはその瞬間に常に備え、その瞬間が到来したら必ず認識・掌握する。

続いて日常雑務を棚上げして一心不乱に働き、約束通りに最高の成果を出す。

いざというときには、同等ではないエネルギーを使って同等ではない瞬間に反応する。

これが10X型リーダーだ。

10X型リーダーの条件として「創造性」や「イノベーション」という言葉は誰もが思いつくが、「規律」というキーワードが出てきたのは意外だった。

でも考えてみたら確かにそうだ。

創造性を生かすのは「規律」なのだから。

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