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2019年9月19日 (木)

徹底的にかみくだいたドラッカーの「マネジメント」「トップマネジメント」/二瓶正之

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 自らのミッションを意識するために「何をもって人々に記憶されたいか」を絶えず問いつづけよ、とドラッカーは多くの著作で繰り返し述べています。ドラッカーは『マネジメント』で「人は人の成長を手助けすることによってのみ成長できる」と書いています。

ドラッカーはいろいろな表現を用いて「マネジメント」について説明している。

最もシンプルでわかりやすい本質をついた説明は「マネジメントとは、人の強みを生かして組織の成果につなげることである」というもの。

この説明には、

①マネジメントが組織を組織として機能させるものであること

②人に関わるものであること

③成果志向の考え方であること

④権限の正統性の根拠が示されていること

以上、4点が簡潔に表現されている。

更に、多くの経営学者が「初めに企業ありき」のスタンスで自らのマネジメント論を展開しているのに対して、ドラッカーは「初めに社会ありき」のスタンスでそのマネジメント論を展開している。

マネジャーの従来からの定義としては「他人(部下)の仕事に責任をもつ者」というのが一般的だった。

しかしドラッカーはその定義を排して「組織の成果に責任をもつ者」という新たな定義を示した。

マネジャーが取り組むべき2つの課題について『マネジメント』で説明している。

ひとつ目の課題は、部分の総和以上に大きい真の「全体」を創造すること。

2つ目の課題は、全ての意思決定と行動において近い将来必要なものと遠い将来必要なものを調和させること。

組織全体の相乗効果に配慮しつつ、近い将来と遠い将来の2つの時間軸の中で生き、行動していくのがマネジャーだということである。

マネジャーの基本業務として

①目標を設定する

②組織する

③動機づけを行い、コミュニケーションをはかる

④評価する

⑤自らを含めた人材を育成する

以上、5つを挙げている。

次に「リーダーシップ」についてだが、

ドラッカーは、まず「リーダーシップとは仕事である」と言う。

リーダーシップはカリスマ性とも資質とも関係なく、本質は「行動」にある。

その行動とは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立するということ。

次にドラッカーは、「リーダーシップとは責任である」と言う。

リーダーシップは地位や特権ではなく責任であり、優れたリーダーは常に自己に厳しい人。

失敗を人のせいしない。

リーダーたちが口にする「責任は私がとる」という言葉にリーダーシップの本質が示されている。

最後に、ドラッカーは、「リーダーシップとは信頼を得ることである」と言っている。

信頼がない限りリーダーに従う者は現れず、リーダーシップの発揮もできない。

つき従う者がいるということがリーダーの唯一の定義だ。

「マネジメント」や「リーダーシップ」という言葉は頻繁に使われるのだが、上記のように定義すると、わかりやすいのではないだろうか。

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